(1) 66年の独立以来与党ボツワナ民主党(BDP)が政権を維持し、94年10月の議会選挙ではBDPが三分の二の議席を獲得したが、経済の停滞と失業率の増加を背景に野党ボツワナ民族戦線(BNF)が議席数を大幅に拡大させた。98年4月にはマシーレ大統領が引退し、モハエ副大統領が大統領に就任した。
(2) 外交面では、穏健な親西欧路線を基調としている。南アフリカの民主化に伴い同国との関係の改善を進めているとともに、これまで南部アフリカ開発共同体(SADC)事務局所在国として積極的な南部アフリカ外交を展開している。
(3) 経済面では、ダイヤモンドがGDPの30%、輸出総額の約70%を占めている。ダイヤモンド依存型経済からの脱却を目指している。第8次国家開発計画(97/98~2002/03年)は、経済多角化、雇用創出、貧困削減、経済インフラの整備等を内容としている。貿易面では、南アフリカとの貿易が最も重要であり、南アが中心となっている南部アフリカ関税同盟(SACU)にも加盟している。
(4) 我が国は、ボツワナからダイヤモンド等を輸入し(99年輸入額248万ドル)、同国に自動車、自動車部品等を輸出している(同輸出額195万ドル)。92年3月にはマシーレ大統領が、98年10月のTICAD

に際しモハエ大統領及びマシーレ前大統領がそれぞれ来日した。
我が国は、ボツワナの一人当たりGNP(3,070ドル、98年)が比較的高い水準にあることから、電力及び運輸分野における経済インフラを中心とした有償資金協力及び行政、通信、放送、人的資源分野等での研修員受入、鉱工業・建設分野における開発調査等の技術協力、草の根無償を中心に援助を実施している。また、2000年2月の洪水災害に対して、緊急援助物資(1,139万円相当)を供与した。今後とも同国の民主化及び経済構造改革を支援すべく、援助を検討していく方針。