(1) 93年10月の軍部によるクーデター未遂事件により、フツ族のンダダイエ大統領はじめ閣僚数名が殺害され、国内抗争が再燃した。それ以降の内戦によりこれまで約20万人が殺害されたと言われている。96年7月の軍事クーデターによりツチ族のブヨヤ元大統領が暫定大統領に就任した。その後、ニエレレ元タンザニア大統領のイニシアティブに基づく紛争当事者間の和平交渉が開始された。ニエレレ元大統領の死亡後、99年12月より、和平交渉の調停役はマンデラ前南アフリカ大統領に引き継がれた。和平交渉には約20にも及ぶ勢力が参加しているため、交渉の進展は困難を極めており、2000年8月には、ツチ族系の4団体を除いて和平合意が署名されたが、停戦の実施方法等については継続して協議されることとなった。
(2) 外交面では、96年7月のクーデターを受け、同年8月以来、タンザニアを中心とした周辺諸国により発動されていた経済制裁は、99年1月に一時停止された。99年半ば以降、治安悪化への対処を理由として、ブルンディ政府により村落民(主にフツ族)の集団キャンプへの強制移住が進められたが、欧米を中心とする国際社会より非難される結果を招き、その後徐々に同キャンプは閉鎖されている。
(3) 経済面では、GDPの約50%、労働人口の90%以上を農林漁業が占めており、伝統的自給自足農業が中心となっている。資源の乏しい国土に高密度の人口を抱える中、武力抗争の続発により、経済基盤が弱体化している。
(4) 我が国は、ブルンディからコーヒー等を輸入(99年輸入額217万ドル)し、同国に自動車、鉄鋼板等を輸出している(99年輸出額176万ドル)。