[22]セイシェル

1.概  説

(1) 91年12月の複数政党制の導入を経て、93年6月制定された新憲法の下で同年7月大統領選挙及び国民議会選挙が実施され、民主化・政治的安定を達成している。98年3月に実施された大統領選挙及び国民議会選挙においては、ルネ大統領が5選されるとともに与党セイシェル人民進歩党(SPPF)が圧勝した。
(2) 外交面では、非同盟主義を掲げているが、旧宗主国である英国、フランスをはじめとする先進諸国と経済関係を中心に緊密な関係を有している。近年は97年にインド洋マグロ委員会の本部をセイシェルに誘致したほか、98年2月には、我が国をも兼轄する大使館(実館)をマレイシアに開設した。また98年には南部アフリカ開発共同体(SADC)に加盟するなど、アジア、アフリカ諸国に対しても積極的な外交を展開している。
(3) 経済は、観光業とその関連産業(GDPの約60%)及び水産業に依存していること並びに輸入に大きく依存していることが特徴である。一人当たりのGNPは1998年値で6,420ドルとアフリカ諸国の中にあっては群を抜いて高いが、第三次産業への依存体質は外的環境の変化に影響されやすいという弱点を有している。98年の観光客数は前年比約4.5%減であった。また、水産業は98年の後半に著しい水不足に見舞われ、マグロ加工工場が一時的に閉鎖される等大きな打撃を受けた。
(4) 我が国は、セイシェルから魚等を輸入し(99年輸入額581万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額375万ドル)。また、セイシェルからは90年7月にルネ大統領が来日したのを始め、ドゥ・サンジョール外相(当時)が数次に亘り来日したほか、98年10月にはボンレム外相がTICAD02に出席のため来日した。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は、セイシェルの1人当たりGNP(6,420ドル、98年)がアフリカ諸国の中で最も高い水準にあることから、工業、人的資源分野等での研修員受入等による技術協力を中心に援助を実施しているほか、水産無償及び文化無償協力を実施している。今後とも、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、技術協力を中心に援助実施を検討していく方針である。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
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