民間企業の行う海外職業訓練に対する援助の概要と実績
- 設立経緯及び根拠・目的
(1)経緯
国際化の進展を背景として、我が国企業の海外進出が増加する中で、民間企業の海外活動は今や効率的な事業展開を図るうえで不可欠な要素となっており、海外活動を支える人材の育成、現地労働者を訓練できる職業訓練指導者の養成が重要な課題となっている。他方、進出先においては、雇用を含めた現地化が強く求められるとともに、当該国からは技術技能の移転、さらには、人造りのための職業訓練の実施について要請がなされているところである。こうしたことから、民間企業の行う海外職業訓練は一面において開発途上国の人材育成ひいては経済社会開発の促進に寄与する効果を有している。
このような民間企業の行う海外職業訓練の重要性にかんがみ、これを側面的に援助するため、雇用保険法に基づく能力開発事業として、昭和59年度から雇用促進事業団が、海外に派遣される指導員の養成、海外の職業訓練に関する情報の提供等海外職業訓練協力センターを活用した援助事業を、海外進出企業等を会員とする財団法人海外職業訓練協会に委託して実施しているところである。(2)根拠法令
雇用保険法第63条第1項第1号を根拠法令として実施している。
(3)目的
我が国企業の労働者を対象とする外国人労働者を職業訓練できる指導者の養成を始め、民間企業の行う海外職業訓練に対する援助を行うことを目的とする。
- 最近の活動内容
平成8、9年度においては、以下の事業を実施した。
(1)訓練事業
外国人に対する職業訓練の指導に当たる者に対して、語学、指導技法等の訓練を行う。
(2)教材研究開発事業
外国人に対する職業訓練を的確かつ、効率的に行うために、職業訓練指導者、訓練生等のための教材の研究・開発を行う。
(3)情報提供事業
海外職業訓練各種情報の収集、提供等を行う。
(4)職業能力開発国際協力事業(国際協力事業団との共同事業)
開発途上国政府の要請に基づき、我が国の企業内職業訓練指導者を当該国に派遣し、また当該国の企業内職業訓練指導者を受け入れて、我が国企業内職業訓練指導者の国際化に対応した職業能力の開発及び技術協力を行う。
(5)相談援助事業
海外職業訓練の経験豊富な外国人職業訓練アドバイザーを設置し、民間企業の行う海外職業訓練の企画、立案等に対し、相談援助を行う。
(6)海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業
海外で困難に直面している我が国企業内職業訓練指導者に対して、経験豊富な中高年齢の専門家を派遣し、当該指導者の海外職業訓練能力の開発を図る。
1997年度の実績 事業名 実績 (1) 訓練事業 年間訓練者数 238人 (2) 教材研究開発事業
教材数 学科教科書 43種 実技教科書 10種 その他 114種 合計 197種 (3) 情報提供事業 海外職業訓練関係書籍の貸出数 2,640冊
海外職業訓練情報書の配布数1,759ケ所、3,592冊
(4) 職業能力開発国際協力事業
派遣者数 7ヶ国(インドネシア、ヴィエトナム等)、26人 受入者数 インドネシア、15人 (5) 相談援助事業 外国人職業訓練アドバイザー(常勤)
千葉、2人
愛知、2人
大阪、2人
福岡、1人
(6)海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業 シルバーコンサルタント派遣者数 5ヶ国(中国、ラオス等)、12人
1996年度の実績 事業名 実績 (1)訓練事業 年間訓練者数 233人 (2)教材研究開発事業
教材数 学科教科書 39種 実技教科書 10種 その他 144種 合計 193種 (3)情報提供事業 海外職業訓練関係書籍の貸出数 1,833冊
海外職業訓練情報書の配布数1,597ヶ所、3,268冊
(4)職業能力開発国際協力事業
派遣者数 5ヶ国(インドネシア、ヴィエトナム等)、32人 受入者数 インドネシア、29人 (5)相談援助事業 外国人職業訓練アドバイザー(常勤)
千葉、2人
愛知、2人
大阪、2人
(6)海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業 シルバーコンサルタント派遣者数 8ヶ国(スリ・ランカ、ブラジル等)、12人
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