コラム 13
“分かち合う”支援を
~ 藤原紀香さんへのインタビュー ~
日本の国際協力を紹介するテレビ番組「地球VOCE(ヴォーチェ)」で、メイン・ナビゲーターを務める女優の藤原紀香さんにお話を伺いました。
「地球VOCE」の取材で東ティモールおよびインドネシアを訪問され、日本の支援の最前線をご覧になりましたが、どのようなことが深く心に残りましたか。
インドネシアのムアラカラン火力発電所では日本の技術が活かされていて、現地の技術者もそのことに対して日本にとても感謝していました。同じ日本人として、とても誇りに思いました。5年ぶりに訪れた東ティモールは、国自体がどんどん歩き出しているという印象を受けました。街には活気があり、見渡せば橋や道路に日本と東ティモールの国旗が描かれていて、目に見える形で日本の支援が東ティモールの発展に役立っていることがわかりました。首都ディリから離れた地方にあるコーヒー園で生産者への支援をしている日本のNGOの支援現場にも行きましたが、首都から離れた地方にも日本の援助が行き届いていて、とても素晴らしいことだと思いました。
東日本大震災を受けて、多くの途上国が日本への連帯の念と支援を表明しました。その際、途上国からは日本がこれまで行ってきた協力への感謝が伝えられています。このことについてどのように感じられましたか。
東日本大震災が起きて、すぐ多くの国からの支援やレスキューチームに来ていただき、日本は世界と共にあるんだとあらためて気付きました。日本だけでは生きられないし、こうした外国からの支援を受けたということは、やはり、今まで日本がやってきたことが着実に根づいているんだと思いました。援助にただ感謝するだけでなく、心まで日本に向けてくれているということは、今までの支援が本当に形となってあらわれているんだなと思いました。
地球VOCEでも紹介させていただいたのですが、被災地にすぐ来てくれたスリランカ大使やイスラエル医療団、国民の倍の数のツナ缶を送ってくれたモルディブの人々、こうした世界のあたたかい心を紹介できることは、とてもうれしいことです。今、世界を支援をしている場合ではないだろうという声もありますが、私は「いや、そうではないと思う」といいたいと思います。今回の外国からの支援や気持ちを見ると、外国を支援することは、日本のため、そして、日本の未来の子どもたちにつながっていくんだと心から思います。
今後の日本の国際協力に対して何を期待されますか。
支援する側、支援を受ける側の双方がハッピーになる協力を行っていけば良いのではないでしょうか。みなそれぞれ得意なことは違いますし、自分も幸せな気持ちになれて、続けていける、そういったことをやればいいんだと思います。私も途上国に行くと毎回エネルギーをもらいます。子どもたちの笑顔や喜び勇んで学校に行く姿を見て教育の大切さを痛感します。こうしたことを私が写真に撮って日本のみなさんに見てもらい、「シェア(共有)」をすることが良いと思います。
そして、途上国の情報に敏感になること。無関心でいないことが大切だと思います。そのことが、途上国を助けたいという思いから一歩踏み出すことにつながっていくと思います。そして、一歩でもやり続けること、たとえ逆風が吹いたとしても、信念を持って続けていくことが大切だと思います。
「いのちの水」を届けるために:東ティモールの給水施設改修に携わる人々と共に