囲み① 第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)開催と横浜市の活動

2008年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に際しては、開催都市横浜をはじめ、様々な団体が多彩な行事などを展開し会議を盛り上げました。TICADが東京以外の都市で行われたのは横浜市が初めてです。横浜市は、会議に先立って「横浜をアフリカ色に染めます」として、多くの市民にアフリカを知ってもらうとともに、訪れるアフリカ諸国の人々をもてなすため、同年5月の1か月間を「アフリカ月間」と決め、アフリカに関連する企画を集中的に実施しました。関連事業は、横浜市のほかにも、外務省や国際機関、地元関係団体、NGO・NPOなど種々の主催者により行われ、イベントの数は、全体で80以上、「アフリカ月間」中に行われたものは50以上にのぼります。ここでは、横浜市が直接実施したものの中から、特筆される活動を紹介します。

「一校一国」運動〜小中学校アフリカ理解推進事業〜


「一校一国」運動(駐日レソト大使が小学校を訪問)


テレビ会議

2008年1月から始められた「一校一国」運動は、小学生を対象に、将来を担う子どもたちが、アフリカに興味を持ち、学ぶことを通して、アフリカをはじめとした世界の国々にも目を向け、社会について考える機会を与えようという運動です。55の市立小学校において、大使館のある35か国について、大使館員や外務省、JICA、青年海外協力協会(JOCA)関係者から小学生に直接各国のことを話してもらうなどの交流を行いました。ガーナの小学生と市内小学生の交流事業(テレビ会議)には、中田宏市長も参加しました。TICAD IVオフィシャルサポーターであるアフリカ(ベナン)出身タレントのアドゴニー・ロロさんが授業を行った小学校もあります。

「一駅一国」運動


アフリカ検定クイズ


「一駅一国」運動
(駅への壁画贈呈式にアンゴラ首相が出席)

また、「アフリカ月間」には市民が身近にアフリカのことを知ることができるように、横浜市営地下鉄の全40駅で、アフリカ諸国を紹介する「一駅一国」運動が行われました。国旗やパネル、会議のPRポスターのほか、「一校一国」運動に参加した子どもたちの絵や、アフリカの国にちなんだクイズ「アフリカ検定クイズ」のポスターを車内広告として掲げました。アフリカの音楽やダンスなどのパフォーマンスが行われた駅もありました。


「一駅一国」運動(駅構内での展示)


市営地下鉄アフリカ号

アフリカ支援キャンペーン


「はまっ子どうし」キャンペーン・ボトル

アフリカを支援する取組なども行いました。「ヨコハマ・フォー・アフリカ」では、飢餓や栄養不足に苦しむ人々のために直接貢献することを目的とした事業が行われました。「アフリカのハラペコを救え。」キャンペーンでは、主旨に賛同した店舗が、アフリカ支援メニュー(アフリカ料理の提供、アフリカ食材の使用など)の売上げの一部などを寄附しました。「はまっ子どうしFORアフリカ」では、横浜市のオフィシャルウォーター「はまっ子どうし」のキャンペーン・ボトルを販売して、売上げの一部を寄附しました。また、アフリカの大地に植林を行うための「アフリカに届け!緑の環境募金」も行われました。こうした事業を通じて、多くの市民や企業などの協力が得られ、全体で750万円を超える募金が集まりました(2008年7月現在)。集められたお金は、国連世界食糧計画(WFP)やJICAを通じて、アフリカの学校給食や植林活動のために寄附されました。

横浜の技術をアフリカなどに紹介

横浜市は、JICAと連携し、市の保有する技術を活用したアフリカへの技術支援を新たに実施することとしました。具体的には、動物の飼育繁殖技術や、港湾整備・管理運営、および水道技術・経営の分野で、市職員の派遣や研修員の受入を2008年度から行うことになりました。さらに、「環境行動都市・横浜」として、「環境ショーケース」という事業を実施し、環境分野での市民・企業・行政の様々な取組を世界に情報発信し、また、会議参加者に向け、パネルや映像による展示、リサイクル活動の実演をするなど、環境技術を紹介しました。

以上のような横浜市が直接実施した事業のほか、同市が地元関係団体と設立した「アフリカ開発会議横浜開催推進委員会」や、外務省と横浜市などが設立した「TICAD IVサイドイベント組織委員会」が、会議の広報活動に力を注ぐとともに、文化を含めたアフリカの現状について国民の関心を高め、理解を深めるために、シンポジウム、セミナー、コンサート、アフリカン・フェスタ、写真展、映画祭などを精力的に行いPRしました。

(写真提供:すべて横浜市)