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(4)援助関係者の安全確保
日本がODA予算を用いて援助を行っている国・地域が160を超える中で、援助関係者が活動する途上国の治安状況は様々であり、また日々刻々と変化しています。米国同時多発テロ以降、中東地域・南アジアにおける緊張の高まりや、世界各地で多発するテロに対して、さらには平和構築における援助に際してどのように援助関係者の安全を確保するのかが極めて重要な課題となっています。
具体的には、在外公館や現地事務所等を通じて現地の治安状況の把握に努め、渡航情報等の情報提供、援助関係者間での情報交換や共有を行っているほか、JICAやJBICにおいては、出発前の研修やセミナーの実施、緊急時の通信手段の確保、安全対策クラークの配置、住居の防犯設備等の措置を講じています。
在外公館警備対策に関しては、2003年度において、防弾車10台の増配備、特定の在外公館における防護チョッキやコンクリートブロック設置等の物的措置が認められたほか、2004年度予算においては、謝金警備員の大幅増強、イラク、アフガニスタンにおける特別身辺警護の導入、在外職員に対する安全講習等が計上されました。また、外務省の機構・定員要求においても、参事官クラスの危機管理官担当ポストの創設、及び警備対策官19人、領事・査証担当21人の増員が認められましたが、これらは在外公館警備対策体制の強化に大きく資するものです。
JICAにおいては、在外公館とも情報交換し、各国・地域の治安状況に応じた安全対策マニュアル等を作成する等、適時適切な安全対策措置を講じています。JBICにおいてもJICAに準じた形で対応しているほか、本邦受注企業が当該国からの撤退が必要となった場合には、現地契約先との事業中断交渉を支援することにより、本邦受注企業の安全確保を図っています。