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巻頭言

2004年は、日本の国際協力50周年に当たります。日本は、1954年にコロンボ・プランへの加盟を決定し、政府開発援助(ODA)を開始しました。この50年目という節目の年に、日本が歩んできた歴史においてODAの果たした役割を振り返ることは大変意義深いことです。

 日本は、第2次大戦後の焦土から米国や世銀等からの援助を受けつつ今日の繁栄の基礎を築き、今や世界第2位の経済力を持ち、世界最大級の援助国となりました。その間、日本は、計185か国・地域に対し、総額およそ2,210億ドル(約31兆7,000億円)にのぼるODAを供与して、途上国の経済社会開発に貢献してきました。こうした貢献は、被援助国から高い評価を得ているだけでなく、被援助国との友好関係の増進や日本の国際社会における立場や発言力の強化を通じて、日本の安全と繁栄の確保にも資するものです。

今日、国際社会では、途上国の開発問題について2015年までに達成すべき具体的な目標を掲げたミレニアム開発目標の実現に向けて、取組が強化されています。国内においては、厳しい経済・財政事情の中、ODAに対する国民の見方は依然として厳しいものがありますが、国際社会からは日本がその国力に相応しい貢献を行うことに高い期待が寄せられています。

このように日本が各国から評価され、信頼される背景には、途上国の経済発展や福祉の向上のために多くの先達の献身的な働きがあったことを忘れてはなりません。政府としては、こうした過去50年の歩みを土台として、昨年改定されたODA大綱を踏まえ、機動性、戦略性、透明性、効率性の向上、幅広い国民参加を促進しつつ、日本のODAがより良いものとなるよう一層尽力していきたいと考えます。

今年のODA白書は、ODA50年の成果と歩みを特集して、日本が半世紀にわたり途上国の発展に果たしてきた役割について、具体的事例を交え記述しています。また、2003年度のODA実績については、ODA大綱の構成に沿った形で報告しています。本書を通じ、日本のODAに対する国民の皆様方のご理解が更に深まり、一層のご支持を賜れば幸いです。

2004年10月
大臣写真


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