囲みII-3 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)
1.世界基金のプロジェクト承認
途上国の自助努力をある程度継続して支援するため、世界基金への申請プロジェクトは5か年計画が基本となっている。世界基金では申請プロジェクトの技術的成熟度の観点から厳格な審査を行い、優良プロジェクトにはまず最初の2年間について資金供与を約束する。約束された資金は実際のプロジェクトの進捗に応じて段階的に支払われ、さらに、3年目以降の資金供与の約束は各プロジェクトの進捗と感染症対策に及ぼした効果を厳格に評価した上で行われる。この原則を満たさないプロジェクトには資金供与が停止され、結果的に有効かつ効率的プロジェクトだけが推進されることとなる。
世界基金はこれまでに121か国において計228プロジェクト、金額にして当初2年間のプロジェクト実施費用として合計約20.5億ドルを承認し、今後も資金状況に応じて毎年1回の案件承認を計画している。
2.承認案件概観
これまでに承認された1~3次承認プロジェクトの資金配分状況は次の通り。
〈地域間〉サブサハラ・アフリカ:60% アジア・中東・北アフリカ:20% 中南米・カリブ・東欧:20%
〈感染症間〉HIV/AIDS:60% マラリア:23% 結核:17%
3.案件実施の効果
2002年4月の第1次支援案件と2003年1月の第2次支援プロジェクトについて見ると、これが5年間にわたり完全に実施された場合には、次のような効果が期待されている。

4.世界基金の援助
世界基金には多くの諸国政府、民間財団、企業、個人が資金を拠出しているが、拠出の大部分は各国政府によって占められている。主な拠出国は次のとおり(2004年1月現在、実際の拠出額の順)。

(注)米国は、2004年以降、基金への各国拠出額全体の33%を超えない範囲で年間10億ドルを限度に拠出する旨表明。