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(4)援助関係者の安全確保
日本は、今日、140以上の国・地域に対してODAを実施しており、援助主体が多様化するに従い、多くの日本人が開発途上国で国際協力に携わるようになりました。それにともない、日本の援助関係者が開発途上国において犯罪、テロ、事故等に巻き込まれる危険も増加しています。援助関係者の生命及び身体の安全の確保は、ODA実施の前提条件であり、新しいODA大綱においても、「安全関連情報を十分に把握し、適切な対応に努める」とし、援助関係者の安全の確保を重要視しています。そのため、これまでにも現地の治安情勢・危険度を慎重に評価した上で、援助関係者の安全対策に遺漏なきを期すべく、可能な限りの措置をとるよう努めてきました。
具体的には、在外公館や現地事務所等を通じて現地の治安状況の把握に努め、援助関係者間での情報の交換や共有を行っているほか、JICAやJBICにおいては、出発前の研修やセミナーの実施、緊急時の通信手段の確保、安全対策クラークの配置、住居の防犯設備等の措置を講じています。
在外公館警備対策に関しては、2003年度において、防弾車10台の増配備、特定の在外公館における防護チョッキやコンクリートブロック設置等の物的措置が認められたほか、2004年度予算においては、2003年度の38億円からは倍増以上の合計79億円が認められ、謝金警備員の大幅増強、イラク、アフガンにおける特別身辺警護の導入、在外職員に対する安全講習等が計上されました。また、外務省の機構・定員要求においても、参事官クラスの危機管理官担当ポストの創設、及び警備対策官19人、領事・査証担当21人の増員が認められましたが、これらは在外公館警備対策体制の強化に大きく資するものです。
政府としては、引き続き現地の治安情勢に常に留意し、万全の安全対策をとりながら対応していく必要があると考えています。