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[6]シニア海外ボランティア派遣事業
1.事業の開始時期・経緯・目的
開始時期
開発途上国での技術協力活動に関心を持つ中高年層の人々を対象として、90年に「シニア協力専門家派遣事業」として創設。
経緯・目的
その後、日本国内でのボランティアに対する関心が高まり、開発途上国からより豊かな職業経験、社会経験を持つ人材を求める要請が増加したことを受け、青年海外協力隊のシニア版というボランティア支援事業としての位置づけを明確にするため、1996年に名称を「シニア海外ボランティア」と変更し、現在に至っている。
同事業は、開発途上国からの技術協力の要請に応えるため、幅広い技術や豊かな経験を有する中高年者で、ボランティア精神に基づき途上国の発展の為に貢献したい方々の活動を国際協力事業団が支援する国民参加型事業である。
2.事業の仕組み
概 要
シニア海外ボランティア派遣事業は、相手国の要請に基づき、国内で募集・選考した技術技能を有する派遣時に40~69歳までの中高年者を、研修の上、相手国に派遣する事業である。
ボランティアの派遣
実際の派遣に際しては、各受入国からの具体的な要請に基づいて、年2回春秋に国内において募集選考が行われる。面接、健康診断、語学試験などの選考を経て、合格者は2週間のオリエンテーションと3週間の語学訓練を受けた上で派遣される。指導科目は保健医療、農業、教育、工業などの分野にわたっている。ボランティアの派遣は、年2回にわけて行われ、派遣期間は原則として1年間ないし2年間となっている。
派遣の形態
派遣されたボランティアは、相手国の政府機関等に配属され当該機関の一員として協力活動を行うが、派遣形態は大別すると次の通りである。
(イ) 個別派遣:ほとんどのボランティアは各要請に対して、全国公募による募集選考の結果で最適者が合格し、個別に派遣される個別派遣の形態をとっている。
(ロ) グループ派遣:同一の相手国機関から複数の要請があった場合に、予め登録している国内関係機関に推薦を依頼し、推薦者を選考してグループで派遣する形態で、通常グループ・コーディネーターも一緒に派遣される。
(ハ) 姉妹都市派遣:国内の自治体がボランテイア派遣国の友好・姉妹都市関係に有る自治体からの要請があった場合に、予め登録している自治体に推薦を依頼し、推薦者を選考して通常はグループで派遣する形態で、必要に応じてグループ・コーディネーターも一緒に派遣される。
3.最近の活動内容
概 要
2001年度には、40か国で新規・継続をあわせ597名のボランティアが協力活動を行った。2002年4月末現在の派遣中ボランティアは40か国に598名であり、累計の派遣人数は1,014名である。
年齢別・分野別実績
累計の年齢別人数では、60~64歳が32%と最も多く、ついで、65~69歳の21%、55~59歳の18%となっている。また、分野別では、鉱工業の23%が最も多く、ついで、人的資源の18%、農林水産の13%の順になっている。
人数実績
その他
2001年度の新たな派遣対象国としては、ベトナム/スリランカ/ウズベキスタン/シリア/チュニジア/トルコ/アルゼンチン/ボリビア/コスタリカ/エクアドル/セントルシア/バヌアツ/ボツワナの13か国が新規に加わった。
4.より詳細な情報
書籍等
月刊誌「クロスロード」でも、シニア海外ボランティアに関する記事の掲載が増えている。
ホームページ
http://www.jica.go.jp