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I-10 SPA(Strategic Partnership with Africa)


SPAは、アフリカが経済危機に直面している1987年に、アフリカの構造改革やマクロ経済の改革が、アフリカ国民の生活に大きな影響を与えないように、その国際収支格差を補填するため、資金供給を目的として世界銀行主導で設立された枠組み。
SPAの設立後、SPAに加盟するアフリカ各国の1人あたりの成長率は、80年代前半の-1.1%から、SPA3(94~96年)の時期には0.9%、SPA4(97~99年)では2%とプラスの成長を辿っており、SPAはアフリカ経済を好転させた1つの要因となった。
また最近のSPAは、以下のように、当初の構造調整に向けた資金供給機能という枠組を超え、貧困、債務削減、セクタープログラム、経済成長等の問題を取り扱っており、主要ドナー及び一部アフリカからの参加者が一堂に会しサブサハラ・アフリカ開発支援のあり方を方向付ける重要なフォーラムとなっている。
わが国としては、アフリカの開発におけるSPAの重要度に鑑みて、外務省、JBIC、JICAが協力し同会合に参加している。

1. SPAのこれまでの主たる議論の変遷

● SPA1(88年~90年)-SPA3(94年~96年):構造調整、国際収支支援、コンディショナリティの議論が中心。
● SPA4(97年~99年):プロジェクト型支援からプログラム支援、国際収支支援から財政支援へ、セクター・プログラム、貧困対策の議論を展開。
● SPA5(2000年~2002年):PRSP、公共財政管理、セクタープログラム、成長と貧困、援助の選択性等を中心に扱っている。

2. 参加国・機関

●援助国:ベルギー、加、デンマーク、フィンランド、仏、独、イタリア、日本、蘭、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイス、英国、米国、EC
●国際機関:世界銀行(議長)、国際通貨基金(IMF)、アフリカ開発銀行、国連開発計画(UNDP)、国連アフリカ経済委員会(UNECA)
●その他機関:開発援助委員会(DAC)

3. 対象国

(1)適格基準
 ●貧困度:世界銀行の融資基準で国際開発協会(IDA)のみの融資適格国であること
 ●債務負担:対外債務返済比率(DSR)の予測値が30%以上であること
 ●調整努力:世界銀行・IMFと合意した改革プログラムを実施中であること
(2)対象国(31か国)
ベナン、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コモロ、コンゴ、コートジボワール、赤道ギニア、エリトリア、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ニジェール、ルワンダ、サントメプリンシペ、セネガル、シエラレオネ、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア



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