資料編 > 第3章 > 第1節 > 36 貿易保険(一般会計の貿易保険特別会計(2001年4月から貿易再保険特別会計)への繰り入れ)の概要と実績
89年度
貿易保険は、貿易取引、対外直接投資等に伴うリスクを政府がカバーすることにより、我が国民間企業の海外における事業活動の活発化、円滑化を図るものである。
重債務貧困国等に対する付保商業債権を含む債務の免除措置は、重債務貧困国等の債務返済負担を大幅に軽減することになり、該当国に援助と同等の効果をもたらしている。この措置は、OECD/DAC(開発援助委員会)のリストにおいてもODA対象とされている。
これらの重債務貧困国等に対する債務削減措置の実施は、相手国の経済再建に対する協力の観点から政府間の国際的合意に基づき行うものであり、これに必要な負担を被保険者のみに求めることはできないため、国全体の負担として一般会計から繰り入れを実施している。
88年:最貧国を中心に債務削減開始(トロントスキーム:削減率33%)
91年:削減率の引き上げ(ロンドンスキーム:削減率50%)
ポーランド、エジプトに対する元本50%相当の債務削減を実施
94年:削減率の引き上げ(ナポリスキーム:削減率67%)
96年:削減率の引き上げ(リヨンスキーム:削減率80%)
99年:削減率の引き上げ(ケルンスキーム:削減率原則90%、必要に応じ90%以上削減)
2000年:削減率の引き上げ(沖縄スキーム:削減率必要に応じ100%)
上記の債務削減措置による貿易保険の負担を補てんするため、一般会計(ODA)から貿易保険特別会計(2001年度から貿易再保険特別会計)への資本繰入れを累次実施。
98年度繰入実績:133.50億円
99年度繰入実績:440.39億円
2000年度繰入実績:106.00億円