本編 > 第IV部 国別援助計画の概要(2000年10月以降に公表されたもの)
2000年10月以降に策定・公表された国別援助計画の概要は次の通りです。なお、全文は外務省ホームページに掲載されています。
アドレス:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/enjyo.html
経済協力計画
1.対中経済協力を取り巻く状況
○日本国内における強い批判と厳しい経済・財政事情
(ODA大綱との関係、中国自身による対外援助、中国国内での不十分な広報、国内の厳しい経済・財政事情、など)
○中国の経済発展に伴う開発課題の変化
(沿海部と内陸部の格差是正、貧困問題への対応、WTO加盟に向けた体制整備、地球規模問題への対応、など)
→対中経済協力の見直しの必要性
2.今後の対中経済協力
(対中国経済協力計画に基づく効果的・効率的な対中経済協力へ)
対中国経済協力計画のポイント
(1)円借款については、多年度方式より単年度方式へ。
(2)国民の理解と支持が得られるような援助、そのため国益の観点に立って個々の案件を精査。
【重点分野】環境など地球規模問題への対応、市場経済化促進、相互理解の増進、内陸部の民生向上・社会開発、民間レべルの経済関係拡大のための環境整備、など
(3)沿海部の経済インフラは基本的に中国自らが実施。
(4)規模については、従来の支援額を所与のものとせず、案件積み上げ方式を導入。また、透明性を高めるためロングリスト方式を導入。
(5)ODA大綱原則の考え方について、あらゆる機会を活用して中国側の認識と理解を深めるよう最大限の努力を払っていく。
(6)評価を適時適切に実施し、その後の援助に迅速に反映する。
国別援助計画
1.対カンボジア経済協力を取り巻く状況
(1)経済協力の意義
○わが国は最大の援助国として、同国の復興努力を一貫して支援
○政治的安定の重要性(アジアの平和と安定に必要)
○経済的重要性(同国の経済成長は長期的なASEAN全体の経済の活性化にも大きく貢献、ひいてはわが国経済にとっても有益)
(2)開発上の課題
復興と再建が最大の課題
●貧困対策
●人材の不足
●諸改革と社会資本の整備
●地雷除去及び被災者支援
2.今後の対カンボジア経済協力
対カンボジア国別援助計画のポイント
(1)わが国経済協力の目指すべき方向性
○依然経済的困難に直面しつつも、復興に向け努力している同国への支援を継続
○復興から成長への移行を視野に置きつつ、持続的経済成長と貧困削減の両者にバランス
○無償資金協力と技術協力を中心に実施
(2)重点分野・課題
○持続的な経済成長と安定した社会の実現(諸改革支援、経済基礎インフラ、農村開発等貧困対策)
○社会的弱者支援(教育、医療分野等)
○グローバルイシューへの対応(環境保全、薬物対策等)
○ASEAN諸国との格差是正(含むメコン地域開発)
国別援助計画
1.対マレーシア経済協力を取り巻く状況
(1)経済協力の意義
○ASEAN域内協力の拠点
○地政学的重要性(重要なシーレーンであるマラッカ海峡の沿岸国)
○経済的重要性(わが国の重要な海外生産拠点、天然ガス輸入先等)
(2)開発上の課題
安定した発展のための経済の高度化
●製造業の高度化
●賦存資源を活用した経済セクターの育成
●高度な人的資源の育成
●環境問題
●格差是正
2.今後の対マレーシア経済協力
対マレーシア国別援助計画のポイント
(1)わが国経済協力の目指すべき方向性
○すでにある程度の経済発展段階にあり、将来の援助国化も視野に入れ、同国の自助努力のみで課題克服が困難な分野・課題に焦点を当てて支援を行っていくことが重要
○有償資金協力及び技術協力を中心に実施
(2)重点分野・課題
○経済の競争力強化(製造業の高度化・効率化、ICT分野への支援、賦存資源を活かした経済セクターの育成・強化)
○高度な知識、技能を備えた人材育成
○環境保全
○格差是正