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国際社会とわたしたち
開発途上国と日本
●世界のさまざまなくらし
世界には、さまざまな国や地域があり、さまざまなくらしがあります。
着るもの、食べるもの、住む家など、地域によっていろいろと違いがあります。なぜ違いが生じるのでしょうか。
「世界のくらし」コーナーには世界中の写真がたくさんあります。調べてみましょう。

気候、地形、歴史などにより、人びとはそれぞれの環境に合ったくらし方をしています。
各国の気候や歴史は、「各国の情報」コーナーで調べることができます。
●グローバル化(国際化)
 2002年、海外へ行った日本人は約1,651万人、海外でくらす日本人の合計も約87万4,000人に達しています。また、外国人の日本への入国者数は約529万人、日本でくらす外国人の数は約177万人となっています。(2002年10月1日現在 外務省調べ)
 このように、多くの人びとが日本と海外を行き来し、海外でくらす日本人や日本でくらす外国人も年々増加する傾向にあります。みなさんがくらす地域でも、旅行や仕事、勉強のために海外からやってきた人たちがいるのではないでしょうか。
 また、みなさんが日ごろ食べているもの、身の回りのもの、またその原料は、どこの国で作られたものでしょう。多くのものが海外から輸入されたものです。逆に日本でつられたものもたくさん海外で使われています。
 世界中のあらゆる場所で、さまざまな人やものが交流し、ともに生きています。
●世界の現実
開発途上国(外務省パンフレット「ODA-世界と地球の未来のために」より)
 わたしたちの身の回りにはいつも食べ物や水や衣服があり、当たり前のように舗装(ほそう)された道を歩いたり乗り物を使ったりして学校や病院に通っています。
 しかし、地球規模で見渡してみると、これは決して「当たり前」のくらしではありません。世界約190カ国のうち実に約150もの国々が、産業や技術の発達が遅れている国であり、そこでは1日にわずか100円や200円程度のお金で生活しなければならない人たちもたくさんいます。そのため、学校にも行けないこどもたちや、お金をかせぐために働く子どもたちもたくさんいます。
人々が飢えや貧困に苦しんで、十分な食料や飲み水が得られなかったり、教育や医療を満足に受けられなかったりする国々のことを、開発途上国とよびます。そこでくらす人びとは、世界の人口(約61億人)の8割以上を占めています。
*「開発途上国」に対し、産業や経済が発達している国々のことを「先進国」とよびます。
開発途上国の世界地図
読み書きができる成人の割合 中学校に入学できる子供の割合
他にも、「5歳までに死んでしまう子ども」などの情報が「統計データ」コーナーに掲載されています。世界の現実を数値で確認してみましょう。
さまざまな問題
[戦争、紛争]
 第二次世界大戦後もなお今日にいたるまで、世界ではどこかで戦争やさまざまな争いがおこっています。そしてその多くは、開発途上国でおこっています。
「統計データ」>(平和について)「主な紛争・対立地域」で、どこで争いがおこっているのか調べてみましょう。
[地雷]
 地雷とは、地面に埋められていて、近づいたり触ったりすると爆発する武器です。
戦争中に設置された後、戦争が終わっても多くの地雷がそのままになっているため、その土地で生活する人びとが被害を受けています。
「世界のくらし」>(平和について)「対人地雷」
外務省ホームページ 「アフガニスタンと地雷」
[難民]
 難民とは、戦争・紛争や地震などの災害によって本来の居住地を離れざるを得なくなった人々のことです。
現在、世界各地に約2300万人の難民が存在するといわれています。

外務省ホームページ(難民問題と日本 I )3、今日における難民問題「世界の難民数の推移」(グラフ)

「統計データ」>(平和について)「難民出身国上位10カ国」
[環境問題]
 近年、産業や経済の急速な成長の一方で、大気汚染や自然環境破壊などの環境問題が注目されています。とりわけ、二酸化炭素など温室効果ガスと呼ばれるガスが大気中に増加することにより地球全体として大気や地面の温度が上昇し、自然の生態系や人類に悪影響を及ぼす地球温暖化問題は、地球規模の深刻な問題となっています。
ODAホームページ (地球温暖化対策関連ODA評価調査報告書)
図表 2100年頃までの大気中CO2濃度の推移
図表 1856~2100までの地球の平均気温の推移と予測
 多くの開発途上国においても、急速な都市化や工業化によって温室効果ガスの排出量が増加しています。また途上国では貧困などを背景に、森林からの過剰な燃料採取や伐採、過剰な放牧、非持続的な焼き畑農業などによる環境破壊の問題もあわせ持っています。
「世界のくらし」>「環境問題について」
[HIV/エイズ等の感染症]
 2001年には世界で4000万人以上のHIV/エイズ感染者が存在しており、死亡者数は年間300万人以上、毎日8,000人以上の人が亡くなっています。結核は毎年900万人がかかっており、うち200万人以上の人が亡くなっています。マラリアについても年間110万人以上の人が亡くなっています。
 特に開発途上国では、栄養や保健・衛生上の問題から、感染症にかかると別の感染症に感染しやすくなり、そしてますます多くの人に感染が広がってゆくといった悪循環が発生しています。
 単なる個人の健康上の問題に留まらず、国際化の進展により人の移動がますます容易になる中で、国際社会全体にとって大きな脅威(きょうい)となっています。
「統計データ」>(健康について)「HIV/エイズ感染者推定数」で、今どこでどのくらいの人が感染しているのか調べてみましょう。
●開発途上国と日本の関係
 日本は、エネルギー資源、原材料などの資源をあまり保有しておらず、また食糧の自給率も低く、多くを海外からの輸入に頼っているという特徴を持っています。
 特にエネルギー資源についてはその傾向が強く、石油(原油)、石炭、天然ガス、原子力発電用のウランなどは、そのほとんどを海外から輸入しています。
「統計データ」>(住)「日本の各エネルギーの輸入依存度」「日本の石油・石炭の国別輸入比率」
「統計データ」>(食)「日本の食糧自給率の推移」
 これらの資源や原材料などのなかには、何らかの理由で輸入ができなくなってしまうと、わたしたちの生活に深刻な影響を及ぼすものもあります。
1999年の日本の貿易実績によると、
日本から海外への輸出のうち、
 化学肥料の90%、船舶の89%、家庭用冷蔵庫の61%、時計の80%
が開発途上国むけ、
海外から日本への輸入のうち、
 コーヒー豆の99%、天然ガスの83%、石油(原油)の98%、天然ゴムの99%
が開発途上国からのものとなっています。
 日本は、原材料などの資源を海外の国から輸入し、それを高い技術力で加工して工業製品を海外に輸出することで、経済発展をとげてきました。他の先進国とよばれる国の多くも、このような方法で発展を遂げてきています。
このようなものの流れをみてもわかるように、開発途上国と日本や他の先進国は、お互いに生きていくうえで依存した関係といえます。それぞれの国の問題や不安は、相手の国にも影響を及ぼします。開発途上国の問題や地球規模の問題も、他人ごとではなく、わたしたちの問題として考えることが大切です。
(参考文献: 財団法人 国際協力推進協会「開発教育・国際理解教育ハンドブック」)
●国際協力(わたしたちにできること)
 開発途上国がかかえる問題や地球規模のさまざまな問題は、なぜおこり、なぜ解決するのが難しいのでしょうか。
これらの問題は、先進国による過去の戦争や近年の過剰な開発活動と密接に関連しており、またこれらの問題への取り組みには多くの資金を必要とするため、経済の問題と切り離して考えることはできません。
このような利益や被害がからみあうなかで、異なる発展段階や経済状況にある国や地域がお互いのことを理解し、助け合う行動をとることは、決して簡単なことではありません。
 しかし、これらの問題は人類の生存さえおびやかすものであり、一国だけでは対応が困難な問題です。国際社会がその解決に向けて共同で取り組んでいくべき課題とえいます。
 どうすれば、それぞれの伝統文化や自然環境を大切にしながら、ともに生きていくことができるのか、地球社会の一員としてわたしたちもいっしょに考えていきましょう。
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