ODA評価 年次報告2019
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 外交の視点からの評価に関する有識者の皆様のお話、いかがでしたか? ODAにおける評価の視点、項目については本報告書の2頁に簡単な説明をさせていただきました。経済協力開発機構開発援助委員会(OECD/DAC)の下に設けられた開発評価ネットワークでは、2014年に国連で合意され日本でも最近話題になっているSDGs〔持続可能な開発目標〕の達成に向けた議論を重ねています。そこでは、1991年から使われている開発協力の評価項目(妥当性、有効性、インパクト、効率性、持続性)を見直し、SDGsの時代に合った再定義を行うとともに、援助国におけるODAと他の政策との政策一貫性及び国際的な合意事項との整合性を見る複眼的な視点としてcoherence (一貫性・整合性)の項目を追加しようとしています。 この数年、外務省が取り組んできた「外交の視点からの評価」は、我が国の外交政策と開発協力政策の政策一貫性を、関係者へのインタビューと公開資料の検証を通じて、国民の皆様にわかりやすく伝えようとする試みです。この試みは、いまSDGs時代に適した新たな評価手法の開発に向けた世界的な期待の高まりを受けて、DACを中心とする評価関係者の注目を集めています。 DACでは2019年12月を目処に従来の評価項目の再定義を行うと共に、これにcoherence(一貫性・整合性)の項目を加えた新しい評価基準を世界に公表することを目指しています。(注)これを機に日本のODA評価の経験が国際的な開発協力評価の更なる発展に貢献し、ひいては2030年のSDGs達成を目指した世界の持続可能な発展を後押ししていくことが期待されます。大臣官房ODA評価室長村岡 敬一編集後記(注):2019年12月10日DAC定例会合で新しい評価項目が正式に採用されました。29

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