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世界の水問題への取組においては、ガバナンスの強化、キャパシティ・ビルディング、資金が重要である。水を巡る問題は多面的であることから飲料水と衛生の分野のみならず、水の生産性向上、水質汚濁防止、防災対策、水資源管理も含めた包括的な取組を地域の実情に応じて実施する必要がある。こうした認識に基づき我が国は従来より水分野への協力を重視しており、水分野で過去3年間(1999~2001年度)に6,500億円以上のODAを実施している。そのうち、飲料水と衛生分野については過去3年平均の世界のODA資金総額(約30億ドル)のうち、1/3に相当する約10億ドルを担う世界最大のドナーである。
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今後はこうした取組を継続し、特に、次の措置を講ずる。
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貧困な国・地域への飲料水・衛生分野への支援
「水資源無償資金協力」を創設し2003年度予算政府案において160億円を計上。
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都市部を中心とした大規模資金ニーズへの対応
下水処理施設、一部の上水道、都市洪水対策等に極めて譲許的な条件(現行金利は原則として0.75%)で円借款を供与する制度の運用を2002年度に開始。
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キャパシティ・ビルディングへの支援。
2003年度以降、今後5年間で上水道、下水道分野における計画策定、運営及び維持管理の能力向上を目的として、約1,000人の人材育成を行う。
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3. |
さらに、国際的なパートナーシップの構築・強化を図ることとし、特に、日米水協力イニシアティブ「きれいな水を人々へ」の具体化、水分野における日仏協力の進展を図る。
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このような基本的考え方に基づき、「安全な飲料水の供給と衛生」、「水の生産性の向上」、「水質汚濁改善と生態系保全」、「防災対策と洪水被害の軽減」、「水資源管理」、「NGOとの連携強化」の6つの分野を中心に具体的な取組をグローバルに展開していくこととしている。 |