水分野における日仏協力
平成15年3月
1.協力の背景と目的
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持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)において、ミレニアム開発目標の一つである安全な飲料水に関する目標に加え、基本的な衛生施設に関する新たな目標が採択され1、これらの分野に対する国際社会の関心が高まっている。
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2003年、日本は第3回世界水フォーラム及び閣僚級会議と第3回アフリカ開発会議(TICAD III)を開催し、フランスはG8エビアン・サミットを開催するが、これらの国際会議において水と衛生は優先課題である。
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両国の水供給と衛生分野へのODAは、世界全体の同分野におけるODA総額の約40%にのぼる。さらに、両国は地球レベルの広範囲の課題に対処する上で必要とされる専門的知識と技術を有している。
→こうした国際社会にとっての水問題の重要性と両国が有している優位性に鑑み、両国の取組を連携させ、相乗効果を高めていくため、水と衛生分野における協力を強化する。
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2.協力の概要
日仏は、当面、以下の具体的な協力を進めていく。
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セネガル川流域
水資源管理と農業用水の生産性の改善に重点を置いて、「セネガル川開発機構(OMVS)」とも緊密に協力しつつ、セネガル川2流域の開発についての協力を強化する。
具体的には、地域と国家当局のオーナーシップ及び地域レベルで既に存在する水供給管理のための枠組みを十分尊重しつつ、水供給プロジェクトと能力開発を協調して行う。
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(2) |
ジブチ
ジブチ国内の水供給源の増加に貢献することを目的として、ジブチの帯水層の塩水化3に関する問題に取り組むために協力する。
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(3) |
ラオス
両国は、ビエンチャンの水不足に取り組むため協力する。具体的には、日本の開始した水供給システムの能力強化を目的としたマスタープラン調査を踏まえ、具体的プロジェクトの進め方等について検討する。 |
また、両国は、その他の開発途上地域に協力を拡大するために更なる協議を行うとともに、現地レベルで様々な援助関係団体と協力していく。
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2015年までに安全な飲料水と基本的な衛生施設を利用できない人々の割合を半減する。
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西アフリカに位置するセネガル川流域は、長さ1,800kmのセネガル川及びその主要な支流によって構成され、ギニア、マリ、モーリタニア、セネガルにまたがっている。
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帯水層は、井戸あるいは水源へ向けて水が通過する地層帯を意味している。ジブチでは、この帯水層が含有塩分のためにしばしば飲料水源として不適切となっている。
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