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(全訳) フィナンシャル・タイムズ紙への川口大臣の投稿
(持続可能な開発に関する世界首脳会議関連。6月26日付12面。) 平成14年6月26日 8月にヨハネスブルグで行われる持続可能な開発に関する世界首脳会議は、1992年のリオ地球サミットから10年が経つのを機に行われる。リオ・サミットは、特に途上国において開発を犠牲にすることなく環境を保全すべきであるしそうできるという「持続可能な開発」という概念を銘記した。リオ・サミット以来の進展の実績は、成否入り交じっている。地球温暖化ガスの排出の目標を定めた京都議定書は、日本を含む批准国の増加にも係わらず、発効していない。経済成長の分野では、IT化とグローバリゼーションが、この波に乗ることができた国とできなかった国との間で格差を作ってしまった。 私はここで、「グローバル・シェアリング」という新たな概念を提示したい。環境問題をめぐる国際交渉は、とくに国連の場において、南北対立という文脈で進められることが多かった。このような対立は、交渉を団体交渉のようにしてしまう危険がある。新興経済の出現により生じた途上国の多様化により、このような方式は時代遅れになってしまった。 「グローバル・シェアリング」は南北の対立を前提としない。むしろ南北の結束の下、戦略、責任、経験、情報を分かち合っていくことを推進する。その分かち合い(シェアリング)は、政府間だけでなく、民間企業、NGOを含めた市民社会とも行っていかなければならない。ヨハネスブルグへの日本政府代表団には、NGO代表も参加予定である。 日本は持続可能な開発については経験がある。日本は、60年代から70年代にかけて自らの美しい国土をむしばんだ公害を克服し、現在は東京の川には魚や渡り鳥が戻っており、水俣湾の水質や四日市の大気の質も相当改善している。我々は、人類社会の一員として、このような経験や教訓を分かちあうことを責務と考える。 環境と経済の相克を乗り越える鍵の一つは科学・技術である。環境にやさしい乗物はその一例である。ここにはビジネスチャンスもある。 国際社会は、2000年の国連ミレニアムサミットにおいて、飢餓に苦しむ人口の割合を半数に減少させる、全ての児童に初等教育を受けさせる等の立派な開発目標について合意した。これらの開発目標の実現に向けて進むべき時がきている。 日本は、全人類と将来の世代のため、環境を保全、改善していくために、最大限の努力を行う決意である。ヨハネスブルグにおいては、我々の唯一の住みかである地球において持続可能な開発を達成しようとの、決意を確認しようではないか。 |
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