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地球環境


持続可能な開発に関する世界首脳会議について
(World Summit on Sustainable Development:WSSD)
平成14年7月1日


1.経 緯

(1) 1992年6月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにおいて国連環境開発会議(UNCED。いわゆる「地球サミット」)が開催され、環境分野における国際的取組の行動計画である「アジェンダ21」が採択された。

(2) 地球サミットから5年目にあたる1997年には、国連環境開発特別総会(UNGASS)がニューヨークで開催され、「アジェンダ21の一層の実施のための計画」が採択された。

(3) 地球サミットから10年目にあたる2002年には、これらの計画の見直しや新たに生じた課題等について議論するため、WSSDが開催される。


2.WSSDの概要

(1) 開催地
 南アフリカのヨハネスブルグ(このため、通称は「ヨハネスブルグ・サミット」)

(2) 開催時期
 8月26日~9月4日
 (ただし、首脳による会議は9月2日から4日までの3日間)

(3) 開催規模
 各国首脳及び国際機関の長が参加予定。


3.WSSDの意義

(1) 首脳レベルの会議が問題解決のための強い政治的推進力を与え、21世紀における環境分野での国際的取組の指針を示す会議となり得る。

(2) 「アジェンダ21」や「アジェンダ21の一層の実施のための計画」が包括的に見直され、策定後の成果や更なる努力が必要とされる分野が検証されるほか、グローバリゼーションの進展や情報通信技術の発達などを踏まえた国際社会が直面している新たな挑戦や機会についても議論される見込み。

(3) UNEPより環境ガバナンスについての検討結果のインプットが期待される。

(4) 政府のみならず、産業界、学界、自治体、NGO等幅広い部門が参加することで環境問題解決のための取組が更に促進される。


4.WSSDに向けた国連の準備作業

(1) 2001年4月30日~5月2日 第1回WSSD準備委員会(於:NY)
組織会合で赤阪国連代表部大使が準備委の副議長に就任。

(2) 2001年7月26日、28日 北東アジア地域準備会合(於:北京)

(3) 2001年11月27日~29日 アジア太平洋地域の準備会合(於:カンボディア)
当該地域からのインプットを提案。

(4) 2002年1月28日~2月8日 第2回WSSD準備委員会(於:NY)
各地域・国際機関・主要グループからのインプットを基に「アジェンダ21」の履行状況を吟味。

(5) 2002年3月25日~4月5日 第3回WSSD準備委員会(於:NY)
議長ペーパーを土台に、後述の「世界実施文書」のドラフティング作業が本格化。

(6) 2002年5月27日~6月7日 第4回WSSD準備委員会(於:インドネシア)
「世界実施文書」の完成を目指すと共に、閣僚級会議でサミットで採択される簡潔な政治文書の準備。

(7) 2002年8月26日~9月4日 WSSD本会合(於:南アフリカ)


 上記に加えて、準備過程で国連が主催する有識者会合が各地で開催される。

5.日本の取組・貢献

(1) WSSDの成果物

タイプ1(内容についての政府間交渉を経た合意文書)
1) 「ヨハネスブルグ・サミット実施計画」
アジェンダ21の実施を促進するための取組についての文書
2) 「政治宣言」
持続可能な開発に向けた各国首脳の決意を示す文書
タイプ2(各国政府、国際機関、NGO等が表明する取組をとりまとめた文書:交渉はしない)
3) 「約束文書」
タイプ1の文書を行動に移すためのパートナーシップ及びイニシアティブ


(2) 日本の今後の重点項目
「政治宣言」に盛り込むべき日本の意見の集約 
「約束文書」(タイプ2)に盛り込まれる具体的プロジェクトの形成
サイドイベントの発掘
NGOとのパートナーシップ関係の構築
国内外における広報活動の積極的実施


(3) 日本が考えるWSSDの重要事項(現時点)

1) 戦略の共有
(イ) 「ミレニアム開発目標」の達成に向けた努力
開発途上国における貧困削減と持続可能な成長と開発が最重要課題
保健、貿易、教育分野での取組の強化
(ロ) 「環境と開発の両立」の実現
限りある資源を効率的にかつ公平に共有することが重要
・省エネ、循環型社会の実現
・革新的技術開発の推進
・天然資源の(保全と)持続可能な管理の推進
・大都市問題への取組み強化
・開発戦略の中における適切な環境問題の位置づけ
2) 責任の共有
(イ) 環境問題に対するcommon but differentiated responsibility
(ロ) 開発と環境に関連する国際機関(含む地域的機構)のガヴァナンスの強化
(ハ) 政府、地方自治体、企業、NGO、ビジネス等あらゆる主体の努力と連携を強化
3) 経験と情報の共有
(イ) キャパシティ・ビルディングの重視
(ロ) 科学的知見の共有・国際共同研究の推進、環境・防災関連情報の共有


(4) 準備プロセスから、政府はもちろん産業界・学界・自治体・NGO等幅広い部門から積極的にWSSDへのインプットを行う。
 「持続可能な開発のための日本評議会」(JCSD)では、日本における成功事例の発表を予定。

(5) 環境省が主催する「エコ・アジア」(アジア太平洋環境会議)で組織した有識者会議がWSSDに対する提言を取りまとめる。

(6) GEA(地球環境行動会議)は、2002年10月に開催した地球環境警鐘会議の提言内容をWSSDに反映させていく。

(7) 財政支援として、国連CSD部の下に設置された信託基金へ日本として拠出する。途上国の政府関係者等がWSSD及びその準備会合へ出席できるよう旅費等を支援


目次


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