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5月27日(月)から6月7日(金)まで、インドネシアのバリにて「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルグ・サミット)第4回準備会合が開催された。前半は173カ国・地域が参加して事務レベルの協議が行われ、6月5日(水)から7日(金)の閣僚級会合には大木環境大臣、植竹外務副大臣、佐藤国土交通副大臣、遠藤農林水産副大臣他が出席した。
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本準備会合においては、ヨハネスブルグ・サミットに向け、「世界実施文書」(注1)をまとめることが最大の目的であった。日本はサリム議長をサポートし、様々な非公式の調整作業にも積極的に貢献する等、会議の成功に向け努力し、調整の結果、争点となってきた多くの点について概ね合意が得られた。しかし、各国の主張が複雑に錯綜する分野については、見解の相違が残ることとなり、複数の選択肢つきの実施文書案をヨハネスブルグ・サミットに転達することで合意し、本案をベースに引き続き交渉を続けることとなった。特に、途上国支援、とりわけ、従来の国際的合意を超えた資金や貿易面での合意の達成をめぐり、途上国と日米EU等先進国との間の深刻な意見対立がクローズアップされてきている。日本は、大木環境大臣、植竹外務副大臣等が先進国、途上国の主要メンバーと接触し、合意形成に向けての相手国の協力を強く要請した。
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ヨハネスブルグ・サミットにおいて採択される予定の「政治宣言」については、同宣言に盛り込むべき要素につき、各国代表から見解が表明され、日本からも戦略、責任、情報と経験を共有する「グローバル・シェアリング」の考え方等について表明した。「政治宣言」はヨハネスブルグ・サミットにおいて策定される予定。
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「世界実施文書」や「政治宣言」を具体化するために各国が政府、NGO等と連携して実施するプロジェクトに関しては、各国、各団体とも積極的に情報交換やパートナーを見いだすための働きかけを行っていた。日本も「アジア森林パートナーシップ」(注2)や、環境分野、特に「水分野におけるガバナンスの改善を志向する日インドネシア共同イニシアティヴ」を提唱する他、「重要な生態系を保全するための基金」(注3)への参加を表明する等、各国・各種団体へ活発な説明・働きかけを行った。
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さらに、今次準備会合に参加している内外のNGOとの意見交換やNGO主催イベントへの出席などを頻繁に行った。また、会議と併行して行われたサイドイベントについては、展示会へのパネル等の出展や「アジア太平洋環境開発フォーラム」の提言の発表等を活発に行った。
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