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持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)
第4回準備会合(5/27~6/7(閣僚会合:6/5~6/7)、於:バリ)
(概要と評価)

平成14年6月8日

1.概要

(1) 5月27日(月)から6月7日(金)まで、インドネシアのバリにて「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルグ・サミット)第4回準備会合が開催された。前半は173カ国・地域が参加して事務レベルの協議が行われ、6月5日(水)から7日(金)の閣僚級会合には大木環境大臣、植竹外務副大臣、佐藤国土交通副大臣、遠藤農林水産副大臣他が出席した。

(2) 本準備会合においては、ヨハネスブルグ・サミットに向け、「世界実施文書」(注1)をまとめることが最大の目的であった。日本はサリム議長をサポートし、様々な非公式の調整作業にも積極的に貢献する等、会議の成功に向け努力し、調整の結果、争点となってきた多くの点について概ね合意が得られた。しかし、各国の主張が複雑に錯綜する分野については、見解の相違が残ることとなり、複数の選択肢つきの実施文書案をヨハネスブルグ・サミットに転達することで合意し、本案をベースに引き続き交渉を続けることとなった。特に、途上国支援、とりわけ、従来の国際的合意を超えた資金や貿易面での合意の達成をめぐり、途上国と日米EU等先進国との間の深刻な意見対立がクローズアップされてきている。日本は、大木環境大臣、植竹外務副大臣等が先進国、途上国の主要メンバーと接触し、合意形成に向けての相手国の協力を強く要請した。

(3) ヨハネスブルグ・サミットにおいて採択される予定の「政治宣言」については、同宣言に盛り込むべき要素につき、各国代表から見解が表明され、日本からも戦略、責任、情報と経験を共有する「グローバル・シェアリング」の考え方等について表明した。「政治宣言」はヨハネスブルグ・サミットにおいて策定される予定。

(4) 「世界実施文書」や「政治宣言」を具体化するために各国が政府、NGO等と連携して実施するプロジェクトに関しては、各国、各団体とも積極的に情報交換やパートナーを見いだすための働きかけを行っていた。日本も「アジア森林パートナーシップ」(注2)や、環境分野、特に「水分野におけるガバナンスの改善を志向する日インドネシア共同イニシアティヴ」を提唱する他、「重要な生態系を保全するための基金」(注3)への参加を表明する等、各国・各種団体へ活発な説明・働きかけを行った。

(5) さらに、今次準備会合に参加している内外のNGOとの意見交換やNGO主催イベントへの出席などを頻繁に行った。また、会議と併行して行われたサイドイベントについては、展示会へのパネル等の出展や「アジア太平洋環境開発フォーラム」の提言の発表等を活発に行った。

(注1) 「世界実施文書」:本年8月末から9月始めにかけて開催されるヨハネスブルグ・サミットにおいて採択される予定の文書。92年の国連環境開発会議(いわゆる「地球サミット」)で採択されたアジェンダ21(持続可能な開発分野における取組の行動計画)の実施を促進するための行動を示す文書である。なお、今回の会議で名称が「ヨハネスブルグ・サミット実施計画」に変更された。

(注2) 「アジア森林パートナーシップ」:アジア諸国及びドナー国・機関が違法伐採、森林火災予防、植林等の事業を通じ、アジアの持続可能な森林経営の促進を図るイニシアティブ。

(注3) 「重要な生態系を保全するための基金」:コンサベーション・インターナショナル(NGO)、世界銀行等が運営する世界的に重要な生態系の保全を目的とする基金イニシアティヴ。今次会合において日本の参加を表明。


2.評価

(1) 「世界実施文書」
今次準備会合の最大の目的であった「世界実施文書」については、日本が主張してきた「持続可能な生産消費パターンへの変革」、「生物多様性の保護」、「地球地図・地球観測」などが文書に盛り込まれた他、これまで争点となってきた諸点(海洋資源、エネルギー、森林、農業等)についてはその多くが合意された。他方、主として開発資金及び貿易問題をめぐり、途上国と先進国との間の意見の調整がついていない。今後サミット本番に至るまでの間、G8サミット等あらゆる機会を通じ、本件につきコンセンサスを得るべく外交努力を行う必要がある。

(2) 「政治宣言」
政治宣言に盛り込まれるべき要素に関しては、閣僚レベル本会議にて活発な討論が行われた。植竹外務副大臣からは、「持続可能な開発」のためには環境保全と経済開発をともに達成すべきこと、開発途上国の自主努力を基礎としてこれに対する国際社会の支援が必要であることなどを主張した。日本としては、今後各国政府と意見交換を進める一方、宣言のとりまとめを行う南アフリカ共和国政府に対し積極的協力を行い、日本側の提案が盛り込まれるよう引き続き努力する。

(3) 「約束文書」に盛り込まれるプロジェクト(タイプ2・プロジェクト)
日本代表団による森林等に係るプロジェクトの説明は好評を博し、今後、ヨハネスブルグ・サミットに向け各国・各種団体の参加を一層積極的に呼びかけていく予定。

(4) NGOとの対話・サイドイベント
会合期間中の政府代表団と内外NGOとの意見交換等を通じて、両者の間に一定の信頼関係が構築できた。ヨハネスブルグ・サミットにおいては、世界各地から多数のNGOが参加することが想定されており、引き続きNGOとの対話に努める。また、サイドイベントについては、南アフリカ共和国では多数のイベントが開催されることから、より効果的なプレゼンテーションを工夫する等の努力が必要である。

(5) 広報
大木環境大臣がインドネシア国営テレビからのインタビューを受けるなど、大臣以下様々なレベルできめ細かに日本の立場につき記者ブリーフを実施するなど精力的に広報を展開した。また、当地において日本の環境問題への取組みを紹介したパンフレットを配布した。

・ 植竹外務副大臣の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」
第4回閣僚級準備会合への出席


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