(1) |
2004-05年度事務局予算問題
予算全体の規模及び京都議定書準備・実施予算の扱いを巡り議論が行われた結果、最終的に前二年度比名目約6%増の予算が承認された。
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(2) |
非附属書I国(途上国)国別報告書
これまで110カ国の非附属書I国が国別報告書を提出しているところ、今次会合では、第2回の国別報告書の提出時期について議論されたが合意に至らず、次回補助機関会合(以下「SB」という。)(’04年6月)において、検討を続けることとなった。
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(3) |
途上国支援
開発途上国に対する支援の取組みとして、キャパシティ・ビルディング、技術移転、気候変動に対する脆弱性への対処のあり方のフォローアップが行われた。特別気候変動基金及び後発途上国基金に関し、支援範囲の拡大を要求する途上国側との協議が難航したが、運営指針について合意し、次回会合において更に議論することが決定された。また、技術移転専門家会合のメンバーとして、我が国から平石尹彦(財)地球環境戦略研究機関上級コンサルタントが選出された。
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(4) |
吸収源のクリーン開発メカニズム(CDM)
吸収源CDMとしての植林の実施ルールを新たに決定した。具体的には、次のとおり。
(イ) |
取得されるクレジットの非永続性を考慮して、期限付きクレジットを用いることとされた。 |
(ロ) |
事業の追加性については、排出源CDMと同様の記述で規定された。 |
(ハ) |
吸収源小規模CDMが認められた。 |
(ニ) |
社会・経済的及び環境的影響の分析については、事業者が分析すべき項目が例示された。 |
(ホ) |
再植林の基準年は、附属書I国の国内の森林の基準年と同一の1989年末とされ、その他のルールについては、排出源CDMのルールとバランスの取れたものとなった。 |
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(5) |
CDM理事会からの報告
(イ) |
わが国の強い主張を踏まえ、CDM理事会に対し、汎用性の高い方法論を促進するための指針の提供を求めることで合意した。 |
(ロ) |
COP7で合意した途上国へのキャパシティ・ビルディングや資金支援の必要性について再確認した。 |
(ハ) |
理事会議場に傍聴者が入れるようにすべきとの米国からの指摘に関し、傍聴に関する理事会手続規定の継続的レビューでも考慮する旨、コンセンサスを得た。 |
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(6) |
気候変動に関する政府間パネル第3次評価報告書(TAR)の活用
TARを今後の国際交渉の基礎として活用するための議論が行われ、次回SBより設定される新規議題(緩和と適用に関する科学的・技術的・社会経済的側面)の下で情報交換等の活動を進め、そのテーマを「持続可能な開発」、「選択肢と解決策」、「脆弱性とリスク」を中心とすることとなった。具体的内容を検討するため、次回SB期間中に関連ワークショップを開催する旨合意。
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(7) |
研究及び組織的観測
条約上必要な気象観測データを継続的に収集・交換するため、全球気候観測システム(GCOS)の実施計画を次々回のSB(’04年11月)までに策定するようGCOS事務局に要請する旨合意。なお、右策定作業にあたっては、地球観測サミット(’04年4月、於東京、同年第4四半期、於欧州)における実施計画の策定過程との密接な連携を求めることとなった。
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