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(10/29~11/10 (閣僚会合:11/7~11/10)、於:マラケシュ) (概要と評価) 平成13年11月10日 1.全体概要
2.各論 (1)京都メカニズム 今次協議の最大の焦点は、京都メカニズムに関するルール策定だった。日本は、京都メカニズムが実際に機能し、費用効果的で持続可能な温暖化対策を可能とすることが、地球規模での効率的で持続可能な排出削減に繋がる旨主張し、一定の制約はあるものの、柔軟且つ幅広い利用を可能とし得るルールが作成された。 特に論点となったのは、京都メカニズムの参加資格と、(イ)遵守制度、(ロ)吸収源の報告内容の質、(ハ)政策措置による途上国への悪影響の報告との関係であったが、いずれも問題ない形で、政治決着で日本の主張が取り入れられた。 (2)5/7/8条 5/7/8条は、各国の排出量や吸収量の推計、報告、専門家によるレビュー等の手続きを定めており、技術的であると同時に削減目標達成に影響しうる問題である。排出割当量の算定や排出枠の移転・獲得手続きを定める第7条4の指針を決定したほか、排出目録上の問題により京都メカニズム参加資格が停止される場合の具体的基準に合意した。また、目標達成にあたっての途上国への悪影響の最小化に関する報告を毎年行うこととすること等につき、政治決着で合意が得られた。 (3)遵守 議定書の義務不履行に対する措置を締約国会議の決定で規定するか、法的拘束力を改正議定書で規定するかは、将来のCOP/moP1まで決定を先送りすることとなった。京都メカニズムの参加資格要件(情報の報告義務)の不遵守により、京都メカニズムの参加資格を喪失した締約国について、遵守委員会執行部が、当該国からの要請に従い、依然として問題が未解決であると決定しない限り、当該締約国の参加資格を回復することとなった。また、排出削減目標が未達成の場合に課される結果の一つである排出量取引によるクレジット移転の禁止については、締約国により移転資格回復が要請された場合には、遵守委員会執行部により、次期約束期間における当該国の遵守の見通しが示されていないと決定されない限り、移転の禁止が解除されることとなった。更に、報告義務の不遵守に対する結果に対しては、第5条、第7条遵守行動計画の作成・提出が義務づけられることとなった。但し、遵守委員会執行部による追加的な措置は課されないこととなった。 (4)途上国関連 途上国参加問題に関しては、UG諸国とも協調しつつ、COP8で今後の協議の進め方に関し議論を開始することをCOP7で決定すべく努力した。しかしながら、途上国は新たなコミットメントに関するプロセスの開始に強く反対し、議題7「条約第4条2(a)(b)の十分性の見直し」に関しては、協議未了のままCOP8に送られることとなった。また、会期間にIPCC第三次報告書(TAR)に関するワークショップを開催し、TARに含まれる情報の検討を行い、SB16に報告することとなった。 途上国支援問題に関しては、3つの基金、最貧国基金へのガイダンス、最貧国専門家グループの設立及びその役割並びに国別適応行動計画準備のための指針に関する決定文が採択された。 (5)吸収源 ボン合意では、露を除く各国の森林管理による獲得吸収量の上限値が具体的に合意されているが、露はより大きな数値を主張していたところ、主張通り、露は33メガトンの上限値となることが合意がされた。 (6)ヨハネスブルグ・サミットへの報告 日本は、環境問題への対処と持続可能な開発は互いに利益を生み出すものとの観点から、技術革新への取組みや市場メカニズムの活用を積極的に行うべきであり、また、気候変動の関連で水や貧困の問題への取組みを重視している旨のステートメントを行ったところ、右趣旨が盛り込まれた宣言文が採択された。 3.評価 (1)政府代表団は、京都議定書の2002年発効を目指し、COP7で合意を達成すべく最大限の努力を行った。遵守に関しては日本提案に基づき合意が達成されるなど、日本は協議に建設的に参加した。今次合意を受けて、ボン合意の「法文化作業」が完了したことにより、京都議定書の2002年発効が大きく近づいた。川口環境大臣及び植竹外務副大臣は精力的に二国間会談を行った。 (2)協議を通じ日本は、費用効果的で持続可能な温暖化対策を可能とする京都メカニズムについて、十分に活用し得る利用しやすいルールの策定を目指した。その結果、一定の制約はあるものの、柔軟かつ幅広い利用を可能とし得るルールが作られた点は評価出来る。また、CDM理事会に岡松顧問が選出されたことは、日本が今後CDM事業を推進する上で意義がある。 (3)今次協議で温暖化防止へ向けた国際交渉が終わるわけではなく、地球規模での実効的な温暖化対策のためには、米国や途上国も含む全ての国が参加する一つの国際的枠組みが重要であり、その実現に向け引き続き最大限努力すべきと考える。 (4)日本は、引き続き、京都議定書の目標を達成するための国内制度に総力で取組むことが適当である。温暖化対策は経済との両立が鍵であり、日本においては経済界の創意工夫を生かし、経済活性化に繋がる国内対策が講じられるべきであると考える。 |
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