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世界的な電子商取引に関する日英共同発表
(仮訳)2001年1月19日
日英両政府は、世界的な情報社会の進展についての見解を共有し、また、電子商取引の成長を支持し、市民の利益を最大化する国際環境を協力して醸成する必要性を認識し、協力を促進する意図を以下の通り表明する。1.目 的
本文書の目的は、日英両政府間の共通見解、政策上の原則及び協力のための課題を支持することにより、電子商取引の進展を促進することである。
2.世界的な電子商取引に対する共通見解
日本政府及び適切な場合には欧州共同体を通じて行動する英国政府は、以下に基づき、電子商取引の成長に資する環境を醸成するために、国際機関の活動を促進することにつき、二国間で協調しつつ取り組む。
(1)情報インフラの強化
電気通信のネットワーク及びサービスにおける効果的な競争により、電子商取引のための安価で質の高い情報インフラ及びサービスへの効果的なアクセスを確保するよう努力すること。
(2)デジタル市場のための透明かつ客観的なルールの確立
契約法や知的財産といった分野における既存の法的・商業的枠組みが電子的伝達に適用され、電子商取引及びその社会における可能性の将来の発展を可能とすることを確保すること。
(3)利用者及び消費者に対する信頼の確立
プライバシー、安全及び消費者保護等の問題への対応を通じて、デジタル市場における保護及び一層の信頼を提供する防衛措置を確保すること。
(4)社会的、経済的利益の最大化
開発途上国及び先進国において、中小企業を含むビジネス、諸組織及び消費者のニーズに対処すること。
(5)世界的な参加の促進
電子商取引の社会的及び経済的可能性を、全ての経済及び社会にわたって最大化することを目指し、政府、民間部門、幅広い地域社会及び国際機関を含めた広範な協力的アプローチを構築すること。
3.一般原則
以下の原則は、電子商取引の成長及び利用、及び情報社会の将来における発展を促進することにつき、両政府が協力するための基礎を成すものである。
- 民間部門は電子商取引の発展と商慣行の確立を主導すべきである。
- 政府の主たる役割は、公共の利益に合致するため、ビジネスと消費者の双方にとり、世界的な電子商取引のための好ましい環境を醸成することと、以下の方法によって社会、市民及び地域社会の発展の可能性を最大化することである。
- 競争的な環境において、民間部門の技術革新とイニシアティブを最も効果的に活用する。
- 政府は、あらゆる国際的なコミットメントに合致するかたちで、公共政策の目標を追求する責任があることを認識しつつ、電子的取引にかかる法令上の障壁を最小化し、また、かかる障害の新たな出現を避ける。
- 明白、透明かつ予見可能であり、公共の利益及び消費者の権利を保護するような、適切な政府の行動及び政策手段の利用(即ち法律、規則及び自主規制)によって、電子商取引の手法及びネットワークに信頼を与える。
- 代表的なグループとの協議を通じて、幅広い地域社会のニーズと関心に配慮する。
- 両政府は、「利用者のモデル」として行動することにより電子商取引の成長に対して主要な役割を担い、また、民間部門主導のイニシアティブや行動を支援する。両政府は、ビジネスと利用者の信頼を強化し、電子決済システム、公的鍵基盤及びその他の認証技術を利用し、行政サービス及び情報をオンラインにより優れた提供を行うことにより、行政を改善することができる。
- 全ての国家の間で国際協力及び調和は、電子商取引のための障害のない世界的な環境を構築することを助け、その利益を全ての人に及ぼす。
4.協力のための課題
二国間協力が重要な多国間の枠組みの発展を補完し前進させ得ることを認識しつつ、日英両政府は以下の協力のための課題を共有し、それぞれの国内政策において、また国際的にもこれを実施する意図を有する。
(1)二国間の行動
本共同発表に含まれる事項について行動する際、両国において民間部門及び幅広い地域社会の参加を得つつ、両国政府間の情報及び意見の交換並びに協力を積極的に促進する。両政府の代表は、この課題を前進させ、この協力を意義ある国際的枠組みとしていくことを促進するため、既存の国際会議の場をかりて定期的に会合する。今後1年における共同作業のうち優先順位の高いものは以下のとおり。
- 消費者保護
両政府は、消費者トラストマーク及び代替的紛争処理メカニズムを含む、電子市場における消費者の信頼を促進する措置を支援する。両政府の代表は以下を行う
- 国内における取り組み、消費者の懸念及び民間部門のメカニズムについての情報交換
- 以下二つの相互承認に関する協力の強化促進
a)関係者(ビジネス、消費者団体、政府、専門家)の協力に基づいて開発された、消費者保護のための国内におけるシール・プログラム
b)関連する代替的紛争処理メカニズム
- プライバシー
両政府は、プライバシー及び個人情報の保護のための枠組みが電子商取引戦略における重要な要素であり、情報社会の発展に有益であると考える。日本政府及び適切な場合には欧州共同体を通じて行動する英国政府は、日英間の個人データの自由な流れを確保するため、それぞれの枠組みの発展に向けて密接に協力する。
- 安全
両政府は、認証を行い、安全な電子商取引を行うための技術の利用促進に向けた政策の必要性について見解を共有する。この目的に向けて、両政府は認証のための様々な技術的選択肢について議論し、多様な認証技術を支える、国境を越えた電子取引を促進するための共通の枠組みや取り組みの促進に向け行動する。また両政府は、違法行為と戦い、潜在的に有害なコンテンツから利用者を保護するため、国際協力を強化するメカニズムを模索する。
- ビジネス協力
両政府は、世界的な電子商取引の成長のためのビジネス協力の重要性を認識し、特に研究開発、技術、標準、ネットワーク及び電子市場の相互運用可能性に関する幅広い協力のイニシアティブを通じて、日英民間部門間の協力を促進し、支援する。
- インターネット経済
電子商取引は、我々の社会的及び経済的生活に深い影響を与え、また今後も与え続けるダイナミックな力である。両政府はインターネット経済を測定する基準の開発において情報を共有すること、及び電子商取引が現在社会及び経済に与えている影響について研究することの重要性を認識する。また両政府は、国境を越えた指標及び適切なインターネット経済分析プログラムの開発に関して、二国間及びOECDなどの国際機関の枠組みの中で協力を続ける。
- 市場開発 / Eビジネスの加速
両政府は、中小企業がEビジネスへの転換による利益を享受するために良い立場におかれるよう、主要戦略や最善の実践方法について情報を共有する。
- 技能及び訓練
両政府は、訓練及び技能に関する事項について協力し、ニュー・エコノミーに向けた教育、訓練及び的確な労働力の開発といった挑戦的取り組みに関して、専門家による定期的な情報交換を行う。(2)多国間行動
世界規模の電子商取引の幅広く国際的な成長、世界規模の電子商取引へのアクセス及びそれによる利益を支援するため、関連する国際会議において引き続き協力する。特に、以下の多国間の取り組みに先立ち二国間の協議を行う。
- 経済協力開発機構(OECD)
OECDにおいて、両政府は、情報通信技術及びデジタル・ディバイドによる社会的影響についての分析、電子商取引のための消費者保護ガイドラインの実施、及び国を超えて通用する電子商取引に関する統計指標の作成を含む、情報社会の各分野の効果的測定手段の実施について引き続き協力する。
- 世界知的所有権機関(WIPO)
両政府はWIPOの電子商取引行動プログラムを支持し、知的所有権及び電子商取引に関するWIPOのイニシアティブに協力する。
- G-8
両政府は、「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章」の実施に完全にコミットするとともに、「デジタル・オポチュニティ・タスク・フォース(ドット・フォース)」の活動を完全に支持する。ドット・フォースは、国際協力を促進すべく、発展途上国、国際機関及びその他の関係者との議論を促進し、世界的な電子商取引のネットワークへの参加を促す手段となる。
- 国連システム
両政府は、全ての人々の利益のために、デジタル・ディバイドを解消するために協力し、電子商取引の発展に発展途上国が積極的に参加することを促進する。
- 世界貿易機構(WTO)
日本政府及び適切な場合には欧州共同体を通じて行動する英国政府は、電子商取引に関する作業プログラムの時宜を得た進展及び完成を引き続き追求する。また、電子商取引の繁栄に必要なサービス並びにその適用によって利益を得る者に対する意欲的な自由化を追求し、また更に一般的には、国際的貿易システムを支持するWTOルールという多国間の枠組みにおける電子商取引の完全な統合を追求する。
- 国際電気通信連合(ITU)
両政府は、電子商取引に関するITUの標準化活動を引き続き推進していくとともに、途上国のための電子商取引プロジェクトといったデジタル・ディバイドを解消するためのITUの関連活動において互いに協力する。以上
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