外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 外交政策 人間の安全保障
人間の安全保障

「人間の安全保障国際シンポジウム」における
小泉総理大臣挨拶

平成13年12月15日

緒方貞子及びアマルティア・セン人間の安全保障委員会共同議長、
パネリスト並びにご列席の皆様、
人間の安全保障国際シンポジウムの開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。

9月11日に発生したテロ攻撃は人類全体にとっての脅威であり、民主主義と自由に対する挑戦であります。一方で、テロの防止と根絶のための国際社会による迅速な行動と、アフガニスタン問題に国際社会が一体となって取り組んでいることは、私たちに希望を与えるものであります。

わが国は、テロとの闘いをわが国自身の問題と認識し、国際的な連携を強化しています。また、アフガニスタン難民支援のため、救援物資の提供や輸送、周辺国に対する経済支援などを積極的に行っています。今後は緒方貞子特別代表を中心とし、ひきつづき国連機関を通じた支援や人的貢献などを積極的に行います。来年1月の後半にはアフガニスタンの復興のための閣僚級国際会議を日本で開催します。さらに、テロ関連国際条約の締結・批准、テロ資金源対策等、幅広い分野で国際社会の取組みに積極的に参画してまいります。

テロは非道な暴力と殺戮によって善良な市民の生存、生活と尊厳を脅かすものであり、動機にかかわらず許されざる行為であります。その一方、紛争、貧困といった様々な要因がテロを助長する温床を造り出す危険性にも目を向ける必要があります。テロの根絶のためにはテロという脅威そのものに対する取組みと同時に、個人に対するその他の様々な脅威を取り除くという視点も必要です。これは、人間個人の潜在力が現実化するような社会を造り、持続させていくことであり、まさに、我が国が重視する「人間の安全保障」の考え方が目指すところです。

一言で言えば、「人間の安全保障」とは、人間の生存、生活、尊厳に対する脅威から各個人を守り、それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために、一人ひとりの視点を重視する取り組みを強化しようという考え方です。冷戦後のグローバル化に象徴される国際社会において、多様化する人間への脅威に真に対処していくためには、「人間の安全保障」の考え方がより重要な役割を果たしていくこととなるでしょう。

わが国は、引き続き「人間の安全保障」を重視し推進していきます。国連にわが国が設立した「人間の安全保障基金」はそうした考え方を国連の事業の中で具体化するために役立てられています。緒方貞子、アマルティア・セン両氏を共同議長とする「人間の安全保障委員会」は、アナン事務総長の強い支持を得て「人間の安全保障」の考え方を精緻化し、具体的な行動に結びつける重要な使命を担っています。委員会は明日と明後日、会合を行われると承知していますが、日本政府としては、こうした取組みに引き続き最大限の支援を行ってまいります。

最後に、本日のシンポジウムの成功を祈念して、私の挨拶といたします。
ありがとうございました。



目次


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省