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 5.

政策評価


外務省の活動を国民に説明する責務を全うするため「行政機関が行う政策の評価に関する法律(政策評価法)」に基づき政策評価を行っている。2006年度に実施した施策にかかわる政策評価は、2007年8月に公表し、評価書及び関連情報については、外務省ホームページに掲載している(注4)

今回で5回目となる政策評価では、政策評価と予算との連携の本格化に対応して政策評価体系を見直すとともに、評価書の構成や評価項目の内容、配置を工夫するなど、外務省における政策評価の在り方の向上に努めた。

このような政策評価の実施や、評価手法の改善を通じて、限られた予算、定員の中で、引き続き効果的かつ効率的な外交の実施に向けた努力を行っている。



コラム  

新しくできた日本大使館~「外交力」強化に向けて~

 

ボツワナ共和国という国を知っていますか。アフリカ南部で最も安定した民主主義国家の一つで、近年は、サファリパークとして有名なチョベ国立公園を目当てに、ボツワナを訪れる日本人観光客も増加しています。また、ダイヤモンドの産出国としても有名です。

実は近年、銅等の豊かな鉱物資源を抱えるボツワナには、他国からの投資が増加しています。特に、ハイテク製品の生産に欠かせないレアメタル(稀少金属)であるニッケルやマンガンを産出、埋蔵する国として、ボツワナには欧米諸国を中心に世界の国々が着目し、投資を増加させているのです。2005年には、外国からの直接投資は2000年に比べて5倍以上になっています。日本からも、2007年11月に甘利経済産業大臣がレアメタル外交の一環としてボツワナを訪問しました。しかし、主要国の中では、日本とイタリアのみボツワナに大使館がありませんでした。日本がボツワナから安定的にレアメタルなどの資源の供給を得ていくためには、大使館を設立し、ボツワナとの関係を強化していくことが不可欠です。新しく日本の大使館ができることで、ボツワナとの貿易や投資が促進され、ボツワナの豊かな資源が日本にもたらされるとともに、ボツワナの経済成長に貢献することが期待されます。また、これまでは、ボツワナにおいて日本人が事件・事故に遭遇した場合、隣国の南アフリカ共和国にある日本大使館から館員が出張して援護を行う必要がありましたが、在ボツワナ日本国大使館が設置されれば、直接かつ迅速に援護や支援を行うことができるようになります。

2008年1月1日、ようやくボツワナに日本大使館ができました。今後は、日本の資源外交の強化やボツワナ政府との関係強化をはじめ、在留邦人や日本企業への支援、ボツワナを訪れる日本人観光客への領事サポートをより円滑に行えるようになります。日本が世界に展開する大使館の数は、米国や中国などの世界の主要国より、はるかに少ないのが現状です。特にアフリカについては、全53か国のうち、米国と中国がそれぞれ47の大使館を有しているのに対し、日本は半分の27か国にしか大使館を有していません。日本の外交力強化のために、在外公館の一層の開設と充実が望まれます。


写真・新設された在ボツワナ日本国大使館のスタッフ

新設された在ボツワナ日本国大使館のスタッフ



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(注4) 「外務省政策評価」(ホームページhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shocho/hyouka/index.html)を参照。

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