第3章 分野別に見た外交 |
第1節 国際社会の平和と安定に向けた取組 1.日米安全保障体制 【総 論】 日米安全保障体制(以下、日米安保体制)は、戦後、日本及び極東に平和と繁栄をもたらし、また、アジア太平洋地域における安定と発展のための基本的な枠組みとしても有効に機能してきた。同時に、北朝鮮による弾道ミサイル発射(7月)及び核実験(10月)が示すとおり、アジア太平洋地域には、冷戦終結後も地域紛争、大量破壊兵器やミサイルの拡散など、不安定な要素が依然存在している。このような状況において、日本及び地域の平和と安全を確保するために、同盟国たる米国と日米安保体制を一層強化していくことは重要な課題である。 日米両政府は、日米安保体制を一層強化するための協議を続けてきており、それに基づく在日米軍の再編を進めている。また、米国の対日防衛義務を果たす約束が揺るぎないものであることは、累次の機会に確認されている。例えば、北朝鮮による核実験直後、ブッシュ大統領は米国が日本の安全保障のためのすべての義務を果たすことを明言した。また、その後まもなく訪日したライス国務長官は、米国として日米安保条約を含めた日米安保体制上のすべての義務に従って、日本の防衛に対する米国の確固たる決意を安倍総理大臣に対して再確認するとともに、米国が日本の防衛のためのすべての義務を果たすための意思と能力を有することを明言した。 |
|