第2章 地域別に見た外交 |
第6節 中東と北アフリカ 【総 論】 中東地域の平和と安定の確保は、国際社会全体の平和と繁栄に直結する問題であり、日本のエネルギー安全保障にとり重要である。しかしながら、中東地域では、中東和平問題、イラク及びアフガニスタン国内情勢の不安定、イランの核開発問題など、地域の安定に直結する問題を抱えている。また、若年層の増大による人口動態の変化、スンニー派とシーア派、世俗主義とイスラム主義との間の均衡の変化、政治的心情としての反米感情の高まりなど、社会構造の変化も見られる。 このような状況を踏まえ、日本は、国際社会と連携しつつ「自由と繁栄の弧」の一角をなす中東地域の平和と安定の確保を図ること、また日本のエネルギー安全保障を図ることの2つを目標に、中東外交に積極的に取り組んでいる。 地域の安定国として日本が重視するトルコには、1月に小泉総理大臣が現役の総理大臣として15年ぶりに訪問し、日本・トルコ関係の強化と、中東地域の平和と安定を含む国際社会における諸問題への協力の拡大で一致した。 また、日本の対中東政策に対する理解を得て、相互理解を深めるために各種対話プログラムも進められており、5月に「第4回日本・アラブ対話フォーラム」が東京で開催された。 |
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