第2章 地域別に見た外交


(1)オーストラリア

 日本とオーストラリアは、地域の政治・安全保障について多くの問題意識を共有する重要なパートナーである。安全保障面では、東アジア地域のテロ対策、大量破壊兵器等の不拡散、国境を越える問題等の取組における協力のほか、日豪関係を包括的な戦略的パートナーと位置付ける外相共同ステートメントの発出、初の日米豪閣僚級戦略対話の実施(3月)など、近年その関係は緊密化し、貿易経済関係中心から政治安全保障面を含む「戦略的関係」という新たな段階に入っている。経済面では、日本から工業品を輸出し、オーストラリアから資源、農産物等を輸入するという補完的な貿易関係にあり、2007年からEPA交渉を開始する。2006年7月には日豪社会保障協定 (注60) について大筋合意し、できる限り早期の署名を目指すこととした。2006年は日豪友好基本条約署名30周年等を記念した日豪交流年として、日豪両国で計約900件に上る様々な交流事業が実施された。また、麻生外務大臣がオーストラリアを訪問したほか、ダウナー外相、トラス貿易相などが訪日した。



▲会談を前に握手する麻生外務大臣とダウナー・オーストラリア外相(3月18日、シドニー)



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