第5章 世論の理解と支持を得た日本外交


(3)インターネットを含む各種メディアを通じた広報

 インターネット広報は外交政策についての情報を正確・迅速に直接国民に発信する重要な手段である。このような認識から、「外務省の顔」とも言える外務省ホームページを抜本的に改革し、総合的なIT広報を展開するため、7月、「IT広報室」を設置した。これに伴い、トップページのデザインを一新した。IT広報室は、日本語版及び英語版のホームページを統一的に運用するとともに、海外における日本政府の活動拠点である在外公館のホームページに関しても、各種改善計画を進めている。外務省ホームページ には、外交政策や国際情勢についての最新の情報や、海外渡航情報、各国・地域情勢等、身近で有益な情報が日々提供されており、アクセス数は年々増加している(過去3年のアクセス数(ページビュー)は、2003年が9,640万件、2004年は1億1,940万件、2005年は1億2,922万件)。イラクや日朝関係等、国民の関心の高い分野について特集ページを拡充し、必要な情報に簡単にアクセスできるよう構成・デザイン等の充実化も図っている。さらに、大臣等による主要な外交活動に関連する写真をフォトギャラリーとして掲載するとともに、携帯電話からも利用できるような工夫もしている。インターネットの持つ情報伝達の双方向性をいかした「ご意見・ご感想」コーナーでは、外交に関する意見等を受け付けており、多く寄せられる質問・意見等については、これらに対する外務省の考え方をホームページに掲載している。

 多くの国民が日常的に接する新聞・テレビ等を通じて、日本の外交政策について的確な情報発信を行うことにより、国民の信頼とよりよい理解の増進を図ることも外交を推進していく上で重要である。そのため、外務省では、公式な情報発信の機会である外務大臣、外務副大臣、事務次官、外務報道官等による定期的な記者会見や談話・発表文、記事資料の公表を通じて積極的にメッセージを発している。

 さらに、日本の外交政策や国際情勢等について国民の正しい理解と支持を得て外交を推進するために、国際情勢に対応しつつ国際社会をリードする外務省の取組を広く国民に知っていただけるよう、年間1~2本の広報テレビ番組も制作している (注7)

 また、特に国民の関心が高いと思われる重要な外交問題については、その背景を含め国民により詳細な情報を提供するため、テレビ・ラジオの放送番組に対する取材協力や定期刊行物への編集協力、パンフレット (注8) の作成等を通じて、分かりやすい広報に努めている。特に抽象的イメージの強い外交案件を図や表にまとめて解説した各種パンフレットは、国民からの要望も多くタウンミーティング等の機会を通じて配布している。




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