平成18年版(2006年)外交青書の刊行に当たって |
外交政策を強力に推進していく上では、国民の皆様への説明責任を果たし、国民の皆様からより一層の御理解と御支持を得ることが重要です。そうした考え方を基礎に、ここに平成18年版外交青書を刊行いたしました。 平成17年(2005年)は、戦後60周年の区切りとなる年でした。戦後日本は、人類が歴史の中で勝ち取ってきた自由と民主主義、基本的人権と市場経済といった普遍的価値を国づくりの 礎として外交を進めてきました。そして日本は、勤勉な労働力と国際社会の支援のおかげで飛躍的な経済発展を遂げるとともに、平和国家として国際社会に貢献してきました。 本年の外交青書では、第1章の前半において、この戦後60年の歩みを振り返り、日本が、戦後復興を経て、平和で安定した国際秩序の構築のためにどのような 外交努力を行ってきたかを回顧しています。また後半では、平成17年の国際情勢と日本外交の取組について総括しています。ここでは特に、国連改革と安保理 常任理事国入りへ向けた日本の努力や、アジアの一員としての日本の近隣国との関係、中東地域の和平に向けた動きや「愛・地球博」の開催、ODAの分野での 日本のイニシアティブなどについて概観しています。第2章以降では、「地域別に見た外交」(第2章)、「分野別に見た外交」(第3章)について記述してい るほか、「国際社会で活躍する日本人と外交の役割」(第4章)では、国際機関や企業、非政府組織(NGO)等を通じて日本人が活躍している現状にも触れて います。そして、「世論の理解と支持を得た日本外交」(第5章)では、外交政策に関する広報や国民の皆様の声を 伺うための取組を紹介するとともに、外交を実施する上で必要となる基盤の整備について説明しています。 日本は、未来へ向けて進み出すため、また、国際社会が直面する諸課題の解決のため、その責任ある一員としてますます指導力を発揮しています。私
は、日本が戦後追求してきた「経済の繁栄と民主主義を通じた平和と幸福」の道を世界に広げながら、日本及び日本国民の平和と安全を確保する外交を推進して
いく決意です。この外交青書が、国際情勢と日本外交、さらには外務省に対する国民の皆様の御理解を深めるための一助となることを期待しています。 |
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