第3章 分野別に見た外交


5 人権

【総論】
 世界各地で、人種、宗教や民族の違いなどに起因する紛争・事件が頻発し、多数の人々、特に一般市民が被害者・犠牲者となっている。また、人々の生命・自由にかかわる深刻な人権侵害が、引き続き国際社会の懸念事項となっている。人権問題は、日本を含む国際社会が継続的に取り組むべき重要な課題である。
 日本は、3つの基本原則、すなわち、1)人権は、文化や伝統、政治経済体制、発展段階のいかんにかかわらず、尊重されるべきものであり、その擁護は各国の基本的な責務であること、2)人権は普遍的な価値であり、かつ、国際社会の正当な関心事項であって、こうした関心を内政干渉と捉えるべきでないこと、3)自由権、社会権等すべての権利は、不可分、相互依存的かつ相互補完的であり、いずれも擁護・促進する必要があることを踏まえ、国連人権委員会等の国際フォーラム及び二国間対話を通じて、国際的な人権規範の発展・促進をはじめ、各国の人権状況の改善に向けた取組を進展させるため努力している。

 



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