【予算、機構・定員面での努力】
2003年度外務省予算においては、流動化する国際情勢の中、山積する外交課題に有効に対処していくために予算の効率的配分を図り、〔1〕重点外交課題の推進
(注2)、〔2〕外務省改革
(注3)を二本柱として外務省予算は前年度比1.4%減の7,358億円となった。
また2003年秋以降、在外公館に対する脅威が高まっていることに鑑み、同年末には在外公館警備を強化する経費として約14億円の予備費の支出が認められた。
機構については、2003年度に、経済協力局に国別開発協力課を設置し、国別援助計画を核とする国別・地域別重視の体制への移行により政府開発援助(ODA)の戦略化を図る一方、在外公館に関しては、2002年8月に発表した「外務省改革行動計画」の方針に基づき、在東ティモール大使館及び在チェンマイ総領事館の新設などを行った。2003年度末における日本政府の在外公館(実館)数は、大使館116、総領事館66及び政府代表部7の合計189である。
なお、2003年3月に発表した「外務省機構改革最終報告」に基づき、本省の機構については2004年夏から能動的・戦略的な外交を展開する新たな体制を構築するべく総合外交政策局の機能強化と総合調整機能強化を行うほか、海外における日本人の安全確保強化のための領事移住部の領事局への格上げ、情報収集・分析能力の強化のための国際情報局の国際情報統括官(局長級)組織への改編、危機管理体制の整備のための危機管理担当の参事官の新設、日本の安全保障強化のための軍縮不拡散・科学部の設置などを行う予定である。在外公館の機構については、新たな外交上・領事業務上の必要に対応するため、在アンゴラ大使館、在重慶総領事館、在カルガリー総領事館の新設などを行う予定である。
定員の増加については、政府の早急な対応が求められている危機管理・安全体制の強化に引き続き重点を置いて取り組んでいる。この結果、厳しい予算・定員事情の中で、2003年度には、外務本省20人、在外公館7人の合計27人の増員を行い、定員数は、合計5,390人(外務本省2,134人、在外公館3,256人)となった。外務省としては、定員の増加を図る一方、既存定員の有効活用及び事務合理化の努力を行っている。