第3章 分野別に見た外交 

(2)地球環境問題

【総論】
 近年、地球温暖化、オゾン層の破壊等の地球環境問題が大きな問題となっている。これらは、人類の生存に対する脅威となりうる地球規模の問題であり、地球環境問題の解決に向けて、日本は「地球規模の共有(グローバルシェアリング)」という考え方を提唱し、国際社会の連帯を呼びかけてきた。
 一方で、いくつかの環境問題については、その主たる原因が経済発展の推進力である近代産業化であったため、先進国と開発途上国との間の立場を調整する必要があり、国際社会は、環境問題を解決していくにあたって「共通だが差異のある責任」という考えの下、先進国、開発途上国それぞれの責任の明確化への努力を行っている。また、日本は「人間の安全保障」の視点に立って、環境問題の解決に取り組んでいくことも重要であると考えている。
 日本は地球環境問題への取組を引き続き外交の重要課題の一つと位置付けており、2003年は以下の二つを大きな課題として取り組んできた。

 

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