第5節
ロシア、中央アジアとコーカサス
【総論】
ロシアでは、2003年はプーチン大統領の任期の最終年にあたり、12月にはロシア議会国家院(下院)選挙が行われ、大統領支持政党である「統一ロシア」が圧勝した。また、2004年3月には大統領選挙が行われ、プーチン大統領が、国民の圧倒的な支持を得て再選を果たし、これまでの同大統領の路線に対する国民の支持が確認された。
日本は、2003年も引き続き、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結し、日露関係の完全な正常化を達成するために努力を継続してきた。特に1月の小泉総理大臣の訪露の際に採択された「日露行動計画」の着実な実現を通じて、日露間で幅広い分野における協力を進め、両国間の信頼関係を築いていく中で平和条約交渉を前進させていくという基本政策の下、エネルギー分野の協力、朝鮮半島問題等国際舞台における協力、非核化協力等幅広い分野において日露間の協力が進展した。
また、対露支援・対北方四島住民支援については、2003年4月の支援委員会廃止後も、透明性を高め適正性を一層確保するための措置をとった上で新たな枠組みの下で実施することとした。
中央アジア及びコーカサス諸国
(注1)は、独立後12年を数え、それぞれ国造りに取り組んでいる。日本は、これら諸国の安定はユーラシア大陸諸国周辺地域ひいては東アジアの安定に直接影響を及ぼし得るものであるとの認識の下、この地域をめぐる戦略的環境の変化も踏まえ、これまで積み上げてきた成果を基に、一層の関係強化に努めてきた。