第2章 地域別に見た外交 

【ASEAN情勢全般】
 ASEANにとって一体性の確保が重要な課題となる中、2003年10月にバリで行われた第9回ASEAN首脳会議においては、海事協力の強化や東南アジア友好協力条約(TAC)理事会を通じて域内の問題解決などを目指す安全保障共同体(ASC)、「ASEANビジョン2020」が定める経済統合の実現を目的とした経済共同体(AEC)及び社会開発の促進・人材育成・感染症対策の強化などを目指す社会・文化共同体(ASCC)の形成を通じ、ASEANの一体性の更なる強化を目指す第二ASEAN協和宣言(バリ・コンコードII)がASEAN各国首脳間で署名され、ASEAN統合の一層の強化が合意された。また、域外国によるASEANとの関係強化を目指す動きも活発化している。例えば、中国及びインドは、10月にTACに加入し、ASEAN重視の姿勢を印象づけた。また10月には、「中・ASEAN包括的経済協力枠組み協定改正議定書」の署名や「インド・ASEAN経済協力枠組み協定」の署名、韓国のASEANとのFTAに関する産官学共同研究開始の意図表明などが行われ、経済面でも域外国とASEANとの関係が強化された。

 

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