第2章 地域別に見た外交 

(3)モンゴル国
 現政権(人民革命党)3年目を迎えた2003年のモンゴルでは、安定した政局を背景に、5月には土地の私有化法が施行された。他方、2004年の夏に予定されている総選挙に向けて、野党間では再編に向けた模索が行われた。
 経済面では、2002年に引き続き、製造業・運輸通信などの分野で順調な成長をみせ、農牧業部門においても2003年には雪害もなく、近年にない成長が見られた。
 外交面では、6月に胡錦濤中国国家主席がモンゴルを訪問したほか、6月末から7月にかけてエンフバヤル首相のロシア訪問が行われた。また、モンゴルは米国の立場を支持し、9月に国軍約180人をイラクに派遣した。
 日本は、モンゴルにおける民主化と市場経済化の成功は北東アジア地域の平和と安定に寄与するとの認識の下、モンゴルを積極的に支援しており、今後とも両国間の総合的パートナーシップをさらに発展させていく考えである。2003年は、11月に東京で行われたモンゴル支援国会合への参加のためエンフバヤル首相が日本を訪れたほか、12月にはバガバンディ大統領の日本への公式訪問が行われ、その際、両国間における総合的パートナーシップの全面的な発展を謳った共同声明を発出した。日本からは9月にモンゴルで行われた第5回新正・復興民主主義国際会議参加のため、矢野外務副大臣が訪問している。

 

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