1990年代に入り、韓国及び北朝鮮は、国連地名標準化会議や国際水路機関(IHO)の場で、「日本海」の呼称には問題があると主張するようになりました。「日本海」の呼称は、20世紀前半の日本の植民地主義の結果として国際的に普及したものであり、このような「日本海」の呼称は韓国等が使用している「東海」に改称するか、少なくとも「日本海」と「東海」を併記しなくてはならないと主張しているのです。
このような主張は客観的な根拠のない誤ったものであり、日本は、以下の3点に基づいて、韓国や北朝鮮の主張に反論しています。
「日本海」の呼称は、国際的に完全に確立している。
「日本海」という呼称は18世紀の終わりから19世紀の初めにかけてヨーロッパにおいて定着したものであり、20世紀前半に日本が植民地主義、帝国主義的な意図から定着を図ったものではない。
「日本海」という呼称は、日本列島により太平洋から隔離されている海域であるという地理的形状に基づいた客観的なものである。
日本は、これらのポイントをまとめたパンフレットを作成し、各国関係機関やマスコミ等に配布しています。日本は一部の国による明確な根拠もない主張により、既に国際的に確立された海域名が変更されるようなことがあれば、地理学的な混乱を招くだけでなく、国際的な地名標準化の動きにおいて後世に「悪しき前例」を残すことになると主張し、国際社会の理解と支持を求めています。また、国連地名標準化会議や様々な国際会議の場で韓国などがこの問題を提起する都度、その場で速やかに反論を行ってきています。
現在、IHOにおいては、海の名称と境界のガイドライン改訂作業が引き続き行われていますが、日本は、今後ともIHO理事会と緊密に協議するとともに、国際社会に対し、日本の立場への理解と支持を求めていく考えです。