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(ウ)G7首脳声明(概要)


 (2001年7月20日、於:ジェノバ)

 1.世界経済

 世界経済は予想よりも減速しているが、健全な政策及びファンダメンタルズは力強い成長の基礎を提供。構造改革、自由貿易及び経済協調の強化を通じ、グローバルな成長に寄与することを約束。
 ●米国では、成長が急激に鈍化したが、長期的展望は依然良好。金融・財政政策は効果的であり、減税も成長に寄与。
 ●ユーロ圏では、経済活動は弱含んだが、成長見通しは依然良好。
 ●日本では、経済活動はさらに弱まり、物価は下落が継続。金融政策は引き続き潤沢な流動性を供給すべし。中期的に強力な経済成長の達成の基礎を築くためには、金融及び企業部門の積極的な改革が必要である。最近発表された改革イニシアティブを歓迎する。
 ●新興市場国では、世界経済に影響され、成長率が急減速した国もある。国内金融システムと財政状況の強化が必要であり、アルゼンティンとトルコにおける改革の継続を支持する。
 ●高く不安定な石油価格は世界経済の懸念材料。

 2.新貿易ラウンドの立ち上げ

 (1)自由貿易の強化は持続可能な成長のために不可欠。11月のWTO閣僚会議において、野心的な新ラウンドを立ち上げるために取り組む。
 (2)新ラウンドは市場アクセスの改善とより透明性の高い貿易ルールを重点とし、途上国と協力することを約束。「実施」問題のさらなる進展をもたらす方策を検討する。貿易分野での技術支援は、途上国を多角的貿易体制に統合するにあたって重要。
 (3)新ラウンドは、多角的貿易ルールの明瞭化、強化、拡充を伴う、均衡の取れたアジェンダとすべし。
 (4) 中国のWTO加盟交渉が終了間際であることとロシアの加盟交渉進展を歓迎。

 3.国際金融システムの強化

 資本市場の開放の促進、民間セクター関与の枠組みの発展、国際開発金融機関の改革、国際金融システムの濫用への対応に関する財務大臣による報告・勧告を支持。

 4.重債務貧困国(HIPC)

 (1)拡大重債務貧困国イニシアティブの進捗を歓迎。現在、23ヶ国がその恩恵を受けており、救済される債務総額は530億ドル以上。
 (2)紛争下の貧困国に対し、紛争をやめ、改革を進めるよう呼びかける。

 5.原子力安全

 チェルノブイリ原発の恒久的閉鎖を歓迎。

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