(6) レーガン米大統領の「一般教書」演説(骨子)
(87年1月27日,ワシントン)
1. 冒頭,200年前の米国憲法制定時の状況を紹介。レーガン政権のこれまでの業績(経済回復,成長)を示し,今後とも超党派の協力を呼び掛け,以下,国際情勢,国内政治につき説明。
2. 国際情勢
(1) 全 般:(イ) 「より安全になったが,まだ安全とは言えぬ」
(ロ) イラン工作は不成功。全責任は自分にある。しかし,目的は有意義。失敗にめげず推進。
(ハ) ソ連の動き:国内経済困難。軍拡。アジア,アフリカ,中南米への勢力進出。米のアフガン人民支援表明。
(2) 中 米:(イ) 西半球は不可侵。(モンロー・ドクトリンに言及)
(ロ) ニカラグァの「自由の戦士」を引き続き強い支援。
(3) 米ソ関係:(イ) ソ連のより責任ある行動を要請。
(ロ) ソ連は人権,軍縮の努力が必要。
(ハ) SDIを前進。
(ニ) 軍縮交渉の米代表団へ議会の支援を要請。
(4) 国際経済:(イ) ウルグァイ・ラウンド,米加自由貿易交渉の推進。
(ロ) 保護主義反対。自由・公正貿易を主張。
3. 国内問題:世界における米国の強さは,米の国内における強さに由来。
(1) 財政改善の必要。そのために,
(イ) 憲法による均衡予算の義務化。
(ロ) 大統領への項目別拒否権の付与。
(ハ) とりあえず今年の予算につきグラム・ラドマン・ホリングス法で赤字削減。
(2) 福祉制度改革の必要。
(イ) 福祉行政の巨大化阻止。
(ロ) 高齢者,高負担医療保険の推進。
4. 競争力の強化
(1) 政府と国民双方の努力が必要。
(2) 競争力強化の総合計画を近く提案。
《概要》(イ) 科学技術センターの新設。
(ロ) 不公正貿易慣行に対抗する法制上の措置。
(ハ) 農業貿易推進。
(ニ) 教育改革:識字率向上,数学・科学の基礎力増進,麻薬のない教育環境,学校での祈祷,等。
(ホ) 職業再訓練と職業モビリティーを支援。
5. 結び
(1) 米憲法の精神は時を超えて生き続ける。
(2) 「我ら人民(Wethe People)」(憲法の前文)の真の意味:国民が主人,政府は使用人。
(3) 「米国は終っていない。米国の最良の日々は始まったばかり。」