(5) 第80回OPEC定例総会プレス・リリース(仮訳)

(86年12月20日,ジュネーブ)

第80回OPEC(石油輸出国機構)総会は,スイスのジュネーブにおいて1986年12月11日から20日まで開催された。

総会は,ナイジェリア石油資源大臣であり,且つ,同国首席代表であるアルハジ・リルワヌ・ルクマン閣下を全会一致で総会議長に再選した。エクアドル・エネルギー鉱山大臣であり,且つ同国首席代表であるハビエル・エスピノサ・テラン閣下は,全会一致で副議長に再選され々

総会は,アラブ首長国連邦石油鉱物資源大臣であるマナ・サイード・オタイバ博士閣下が議長を務める市場監視閣僚委員会及びクウェイト石油大臣であるアリ・カリーファ・アル・サバー閣下が議長を務める価格に関する閣僚委員会及び総会議長であるアルハジ・リルワヌ・ルクマン閣下が議長を務める生産割当に関する閣僚委員会の3つの閣僚委員会による報告を十分検討,討議した。総会は,石油需給状況に関する経済委員会の報告についても討議した。

第79回臨時総会において採択された,可及的速やかに固定価格制に復帰するとの決定を想起しつつ・加盟国がその経済的・社会的発展に必要な石油収入の安定及び予測可能性を確保する必要性に鑑み,総会は,OPECの指標価格として18米ドル/バレルの水準での固定価格制に直ちに復帰するとの価格に関する閣僚委員会の勧告を採択することを決定した。この価格は7原油のバスケットを基礎としており,1987年1月1日に効力を発するが,1か月間の現行契約解除期間を設けることが合意されている。総会は,OPECの指標価格維持に全加盟国が平等に参加する為にOPEC加盟国の各油種間に等しい競争力を獲得することを目的として,指標価格に対するOPECの種々の原油の油種間価格差の問題を討議した。この目的のため,アラブ・ヘビーとポニー・ライトの間の最大価格差は2.65米ドル/バレルを越えないことが合意された。更に,アラブ首長国連邦石油鉱物資源大臣であるマナ・サイード・オタイバ博士閣下が議長を務め,アルジェリア,クウェイト,社会主義人民リビア・アラブ国,ナイジェリア,カタール及びサウディ・アラビアの各国首席代表閣下によって構成される油種間価格差に関する閣僚委員会によって本件が定期的に見直されるべきであり,かつ同委員会は定期的に決定される右価格差の変更を総会に勧告すべきことが合意された。また,総会は,OPECの指標価格維持のために必要なメカニズムにつき討議し,市場における石油の供給過剰の存在に鑑み,当該価格を下支えするための方途としてOPECの生産水準の削減を実施することが必要との結論に至った。1987年第1及び第2四半期のOPEC総生産量は1,580万B/Dを越えるべきではないとの合意に達したが,これは右両四半期におけるOPECの石油に対する需要見通しより,各々7.6%及び7.1%の削減に相当する。OPECの新価格体系に対する十分な支持を確保するために,当該の残りの期間においても生産規制が継続されるべきことについても合意された。

総会は,1987年の機構予算を承認した。

総会は,社会主義人民リビア・アラブ国の理事であるアリ・A・フィトゥリ氏を1987年の理事会議長に,ナイジェリアの理事であるベン・A・オスノ氏を同副議長に任命した。

総会は,事務局長の任命について討議し,憲章28条Aに従い,右条項に明記される人的資質に基づき,2ヵ月以内に加盟国が右役職の候補者を指名すべきであること,及び,本件は次回総会において討議されることを決定した。

総会は,スイス連邦政府及びジュネーブ州に対し,今次会合に寄せられた厚遇及び行届いた取計らいにつき深甚なる謝意を表明した。

総会は,加盟国による批准の後1987年1月20日に公布される決議を採択し々次回定例総会は,1987年6月25日にオーストリアのウィーンにおいて開催される予定である。

 

 

 

 

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