(22)南アフリカ共和国のアパルトヘイト改革に関するボータ大統領演説(骨子)

(86年1月31日,ケープタウン)

1.1月31日ボータ大統領は南アフリカ共和国議会における施政方針演説の中で,内政改革に関する基本方針を示すとともに,アパルトヘイトの概念は時代遅れとして黒人を含む全南ア人の国政参加(パワー・シェアリング)を実現する方針を明らかにした。

2.同大統領が演説の中で公約した具体的措置は次の通り。

(1)今次議会における主たる法的措置

○ホームランド独立の結果市民権(国籍)を喪失した黒人に対する市民権の付与

○全人種共通の身分証明書の発行

○流入規制の緩和

○指定都市商業地区における非白人に対する営業権の付与(ヨハネスブルグ,ダーバン等)

○黒人居住区住民に対する不動産所有権の付与

○黒人住民の地方行政参加,及び州政府レベルでの全人種参加

(なお,2月2日大統領声明の中でパス法を7月1日までに廃止する旨発表した)

(2)国家法令評議会

人種間の共通事項(法律問題を含む)審議の為の「国家法令評議会」の新設。

(大統領を議長とし,南ア政府代表・自治ホームランド政府代表・その他黒人住民指導者及び関係グループ指導者で構成)

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