(20)第40回国連総会において採択された国連賢人会議決議

(概要)

(85年12月18日,ニューヨーク)

国連の行財政機能の効率性の検討

総会は,

国連憲章の諸目的と諸原則を想起し,

この機構は加盟国全ての主権平等の原則に立脚するものであることを承認し,

国際の平和と安全の維持及び開発と国際協力の促進における国連の重要な役割を心にとめ,国連の行財政機能の効率性向上は,国連が憲章の諸目的を実現しその諸原則を実施する上で有益であることを確信し,

国連創立40周年記念を通じ各国元首,首脳又は特使,及び各加盟国代表により表明された,国連に対する一致した支持を考慮し,

全ての参加者が,国連に対する信頼を強化し,この機構に対し加盟国が一層積極的な支持を与える政治的意思を昂揚させる必要性を強調した旨留意し,

国連事務局職員の雇用に際しては,最大の効率性,機能及び統合性を確保する必要性及び職員を公平な地理的配分の原則に則って採用する重要性を再確認し,

事務局の効率性及び実効性向上のため,事務総長がこの機構の行政の長として行っている努力を評価するとともに留意し,

総会の関連補助機関による作業を念頭におき,

第40回総会中に表明された諸見解を十分に考慮に入れ,

1.効率性の全般的向上が,国連が国連憲章の目的を達成し,その原則を実施する能力を一層高めるとの確信を表明する。

2.以下に定める任務を国連憲章の原則と規定に完全に従いつつ遂行するために,1年を期限として「ハイレベル政府専門家会議」を設置することを決定する。

(a)国連が政治・経済・社会問題により効果的に対処することに貢献しうるような国連の行政・財政機能の一層の効率化を進める方途を見い出すとの見地から,国連の行政・財政問題の抜本的検討を行うこと。

(b)第41会期の開会に先立ち,同会議の所見及び勧告を含んだ報告書を総会に提出すること。

3.総会議長に対し,各地域グループと協議の上,均等な地理的配分に適切な考慮を払いつつ「ハイレベル政府専門家会議」のメンバーを可及的速かに任命するよう要請する。

4.同会議は18人のメンバーより構成されることを決定するとともに,事務総長に対し,同会議がそのビューローを選出しうるよう同会議の第1回会合を可能な限り早期に開催するよう要請する。

5.事務総長に対し,必要な職員及びサービスを同会議に提供するよう要請する。

6.更に事務総長に対し,就中事務総長の見解の提出及び検討作業に必要な情報の提供により,同会議に十分な援助を与えるよう要請する。

7.総会の関連補助機関に対し,各々の議長を通じ,その作業に係る諸事項に関し情報及び見解を同会議に提出するよう招請する。

8.「国連行財政機能の効率性の検討:ハイレベル政府専門家会議報告書」を総会第41会期の仮議題に含めることを決定する。

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