(12)北アイルランド問題に関する英・アイルランド共同コミュニケ(要旨)
(85年11月15日,ヒルズバラ〔アイルランド〕)
(要旨)
1.両国首脳は英・ア協定に署名した。協定は,(イ)北アイルランドにおける平和と安定の促進,(ロ)アイルランドにおける2大伝統(注,プロテスタントとカトリック)の和解,(ハ)英・ア両国民同士の親善・協力のための環境作り,(ニ)テロリズムとの戦いのための協力関係の改善を目的としている。
2.協定はとりわけ,(イ)北アの地位,及び,(ロ)政府間会議(IntergovernmentalConference,以下「会議」)の設置をうたっており,アイルランド政府はこの「会議」を通じて北ア問題に関し見解を表明し,提案を行う。
3.「会議」は,両国議会が協定の承認を行い・政府が相互に協定受諾の通告を行った後,出来るだけ早い時期に開催される。
4.第1回「会議」では特に次の問題が検討される。(イ)北アにおける治安当局と少数派コミュニティー(注,カトリック)との関係。(ロ)両政府間の治安協力の強化方法。(ハ)司法行政に対する大衆の信頼を回復するための手段の探求。
またこれとの関連でフィッツジェラルド首相は,アイルランド政府は出来るだけ早い時期に欧州テロリズム撲滅協定(EuropianConventionontheSuppres-sionofTerrorism, 1977)に加入するとの意図を表明した。
5.両国首相は,2国間関係の発展と本件協定の実施状況を評価するため,適当な時期に再び会談を行うことに合意した。