(3)アジア・アフリカ会議(バンドン会議)30周年記念会合宣言
(要旨)
(85年4月25日,バンドン)
(イ)アジア・アフリカ会議(バンドン会議)30周年記念会合宣言(要旨)
1.参加国は,バンドン会議最終コミュニケ,特にバンドン10原則の重要性及び永続的妥当性を強調した。
1.バンドン原則の意義は非植民地化の民族解放闘争における代表団の共通の遺産と経験に由来する。バンドン会議は,民族意識を覚醒させ,A・A諸国及び他の第3世界諸国間の共同行動の指針となってきた。また,バンドン会議の理念と方向は非同盟運動の誕生と強化への道を開拓した。
1.今日の世界において核戦争の危機は増大しており,参加各国は,軍事費の増大に懸念を表明した。
1.世界各地の紛争は,国連憲章,バンドン10原則並びに非同盟運動の諸原則に従い迅速かつ平和的に解決されなくてはならない。
1.参加国はナミビアの独立のためSWAPOの指導の下に行っているナミビアの人々の英雄的闘争に支援を表明する。また,南アフリカにおけるOAUの承認を受けた民族解放運動の指導の下に行われている南アフリカの抑圧された人々の闘いへの支援を強調する。同様に,PLOの指導の下のパレスチナ人の彼らの不可譲の権利実現のための闘いに支持を表明した。
1.現在も,開発途上国は経済的後進性に苦しんでいる。特にアフリカの経済危機は深刻である。A・A諸国は,国際経済協力の新しい視点が必要であり,新国際経済秩序(NIEO)の確立が必要であることを強調した。
1.A・A諸国は,文化協力の推進が諸国問の相互理解促進のため必要であり,新国際情報通信秩序(NIICO)の実現が肝要であると考える。
1.A・A諸国は,国連憲章の諸目的及び諸原則に対する誓約を再確認する。
(ロ)アジア・アフリカ会議30周年記念会合宣言に関する日本国政府代表団見解(仮訳)
日本国政府代表団は,バンドン精神を再確認し,互恵と協力の関係を深めるとの誓約を行うため,アジア・アフリカの多くの指導者達の参加を得て本会合が開催されたことを高く評価する。
日本国政府代表団は,今日の世界において引き続きバンドン精神が有効であることを深く確信していること及び国連憲章とバンドン10原則に基づいて起草され,本日採択された宣言に盛り込まれた基本的な諸目的と考え方を支持することに関し,アジア・アフリカ両大陸の人々を代表する他の代表団と見解を一にするものである。
日本国政府代表団は,上記の理解に基づき,提案された宣言を採択するコンセンサスに加わることとした。しかし,このことは,いかなる意味においても,核軍縮・パレスチナ問題,ナミビアを含む南部アフリカ問題,新国際経済秩序及び新国際情報通信秩序等の特定の問題について,種々のフォーラム,特に国連において日本国が従来より表明してきた立場を変更するものと解してはならないことを記録のために明記する。