第6章 邦人の渡航と保護・援助

第1節 概要

国際的な相互依存関係が緊密化するにつれ,我が国の海外渡航者数は年々増加する傾向にあり,85年には495万人に上り,在留邦人数も48万人を数えるに至っている。

これら邦人の行先や滞在場所は,世界のあらゆる国に広がっており,外務省としては,こうした国際化の時代に対応して,在留邦人の子女教育,医療等について諸施策の充実に努めるとともに,在留者及び旅行者の保護・援助に万全を期している。特に85年9月のメキシコ地震や86年1月の南イエメンにおける内乱等の際には,通信が途絶するなど厳しい条件の下で,関係在外公館を動員するなどして,在留邦人の安全確保等に努力が払われた。このように世界各地で頻繁に発生している事件や事故から在留邦人を保護する業務はますます増大し,一刻の猶予も許さない状況になっている。

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