(7)第20回OAU(アフリカ統一機構)首脳会議において採択された宣言・決議(要旨)

(84年11月12日~15日,アデイス・アベバ)

(i) アフリカの危機的経済情勢に関する宣言

首脳会議は,現在27のOAU加盟国が外国からの食糧援助に依存しているという惨状に留意し,国家,地域及び全アフリカのレベルでアフリカ経済改善の為に効果的措置をとるとの決意を表明する。

首脳会議は旱魃被害と飢餓救済のための特別緊急基金の設立を決定する。

なお右基金にはOAU加盟国のみならず域外諸国の自発的な拠出が要請されているが,今次会議においてアルジェリア及びリビアがそれぞれ1,000万ドルの拠出を行う用意がある旨表明している。

(注)同文書は,アフリカ諸国が現在直面する砂漠化,旱魃,飢餓,食糧難に焦点をあて,さらにアフリカ全体が抱える1,500億ドルを越える対外債務問題にも触れて,アフリカ各国による食糧自給,経済自立のための相互協調努力を訴えている。

(ii) チャド問題

今次首脳会議においては,チャドの和解のための種々の会合が実を結ばなかったという事務局長代理の報告があり,チャド情勢が依然危機的であるということに留意するとともに,コンゴー大統領に引き続きOAU議長と協力し,チャドにおける国民和解を促進する努力を継続するよう要請する。

(iii) 南部アフリカ情勢に関する決議

首脳会議は南ア政権の孤立化及び同政権に対する強制的制裁を課するためのOAUのコミットメントを改めて強調する。

首脳会議は,南部アフリカ地域における解放勢力に対するOAUの全面的支持を再確認するとともに,OAUがルサカ宣言に規定されているナミビア及び南ア問題に関する平和的解決策を引き続き支持する旨表明する。

(iv) アフリカ諸国の対外債務に関する決議

首脳会議は,アフリカの経済問題解決のためアフリカの債務国と世界のすべての債権国との間で直接交渉を行うよう要請する。

(v) アフリカ諸国間経済協力及び統合に関する決議

首脳会議は,オヌーOAU事務局長代理に対し,ECA,国連機関との協力の下に,アフリカにおける地域的経済協力調整を促進するためのあらゆる必要な措置を検討するよう要請する。

(vi) アフリカにおける軍縮・核非武装化・安全保障及び開発に関する決議

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