第9節 環境問題
1.日米間の環境問題
75年8月に署名された「環境の保護の分野における協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(80年8月に有効期間が5年間延長された)に基づく第6回合同企画調整委員会が,84年2月に東京で開催された。日本側は上田環境庁長官が,米国側はラッケルスハウス環境保護庁長官が代表団長を務めた。
委員会では,日米両国における環境政策の最近の主要な動向と今後の展望等について意見交換が行われ,同協定に基づくプロジェクトの活動状況評価,新規プロジェクトの設置提案がなされた。また,個別問題として酸性雨問題,湖沼の富栄養化問題,環境保全に関する国民意識の動向につき情報の交換が行われた。現在,委員会での合意に基づき,本年8月の期限切れを前に,協定の有効期間をさらに5年間延長する作業が進行中である
2.OECDにおける環境問題
(1)84年6月の「環境と経済国際会議」においては,経済政策と環境政策との統合の在り方及び予見的・防止的環境戦略等が討議された。85年6月に予定されている第3回環境大臣会合では,右の成果を踏まえ,各国の持続的経済成長のための,天然資源管理問題等.将来の環境政策の方向につき議論される予定である
(2)環境委員会においては,ほかに有害な廃棄物の越境移動,開発援助と環境アセスメント,多国籍企業と環境等の問題が検討されている。
(3)化学品に関しては,輸出が規制される化学品の情報交換,及び化学品の新規届出の際の外国データ・相互受入れの前提となるGLP(Good La-boratory Practice)原則につき活発な議論が展開された。
3.サミットにおける環境問題
84年ロンドン・サミット経済宣言において.環境問題の重要性が認識され,同年12月に英の提唱で環境大臣会合が開催されたほか,技術.成長及び雇用に関する作業部会でも環境問題が検討され,汚染者負担の原則,科学技術の活用,市場原理の導入等の重要性が確認された。