(18)INF交渉中断に関するアンドロポフ=ソ連共産党書記長の声明(要旨)
(83年11月24日,モスクワ)
1.米ミサイルの欧州配備により,欧州の安全ではなく,米が欧州人民に破局を招く現実的危険が増大する。
2.生じた情勢のあらゆる面を入念に考慮し,ソ連指導部は以下の決定を行った。
(1)米の行動により双方に受入れ可能な合意達成の可能性が破壊されたため,ソ連は今後の交渉への参加を不可能とみなす。
(2)欧露部におけるソ連INF配備モラトリアムを破棄する。
(3)先般開始された東独・チェコ領への作戦・戦術ミサイル配備準備作業が加速される。
(4)米ミサイル欧州配備により対ソ脅威が増大しているため,これに相応するソ連のシステムが大洋区域(複数)及び海洋(複数)に配備される。これ等ソ連システムはその特徴として,欧州配備米ミサイルがソ連及びその同盟国に対し生み出す脅威に対し十分なものとなろう。
3.ソ連及び他の社会主義共同体諸国の安全確保のための他の措置も講ぜられる。
4.ソ連は軍事的優位を求めるのではなく,ソ連対応措置は軍事的均衡の破壊防止に絶対的に必要なもののみにとどまる。
5.もし,米及び他のNATO諸国が,米INF欧州配備開始以前の状況にもどる用意を示すなら,ソ連もまたこれをなす用意がある。
6.ソ連指導部は,米・西欧諸国の指導者に対し,米ミサイル欧州配備が自国民及び全人類にもたらす全ての結果につき再度考量するよう訴える。