(8)「事務総長年次報告」議題の下における国連の平和維持機能の強化に関する第37回国連総会決議37/67(仮訳)
(1982年12月3日,ニューヨーク)
総会は,国際関係の継続的な悪化,頻繁な武力による威嚇又は武力の行使,軍備競争,特に核兵器の分野における軍備競争の一層の激化,世界的な経済問題の悪化,広範,大量かつ著しい人権の侵害,非植民地化の過程に対するすべての障害並びに種々の重大な国際的危機の解決の継続的停滞及びその悪化を深く憂慮し,多くの多数国間交渉及び協力,なかんずく国連内における交渉及び協力の危機を深く憂慮し,国連の集団安全保障体制が有効に用いられていないことを懸念をもって留意し,国連の憲章の規定及び決議が頻繁に無視されることを深く憂慮し,憲章の規定の厳格な尊重並びに憲章の目的及び原則に従った国際の平和及び安全の維持並びに国際問題の解決における国連の役割強化の緊急の必要性が存在することを確信し,国連憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言及び国際紛争の平和的解決に関するマニラ宣言を想起し,第37回総会中に加盟国により表明された見解に留意し,
1.国連の活動に関する事務総長報告書を謝意をもって留意する。
2.世界における真の安定した平和及び安全は国連憲章の目的及び原則並びに国際法の厳格な遵守により達成しうること並びにすべての国はそれに由来する義務を誠実に履行しなければならないことを厳粛に再確認する。
3.国際の平和及び安全の維持,国際紛争及び危機の平和的手段による解決,主権平等に基づく国際協力の強化,並びに経済・社会的発展及び人権の促進のために不可欠なものとして国連の役割及び実効性を強化することの緊急の必要性を強調する。
4.国連のすべての機関に対し憲章に従ってその責任を十分かつ効果的に果たすことを要請し,すべての加盟国に対しその目的に積極的に貢献することを要請する。
5.安全保障理事会に対し国際の平和及び安全の維持に対する主要な責任を果たすこと及び事務総長報告書に妥当な考慮を払うことを要請する。
6.事務総長に対し,憲章上与えられたその責任を果たすに当たり,憲章の企図する効果的かつ重要な役割を遂行する国連の能力を強化するための努力を継続するよう慫慂する。
7.加盟国が第37回総会において表明した見解及び希望する加盟国が将来提出することのある見解を考慮しつつ,また適当な場合には研究機関及び有識者の見解をも考慮に入れて,上記目的に向かっての努力が継続されるよう強く要請する。
8.事務総長に対し,本決議の履行に関し総会に引き続き報告するよう要請する。